中学生が行く「セブ島英語短期留学」の舞台裏 大学入試改革が英語教育の大転換をもたらす

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立命館宇治のセブ島留学に参加した生徒たち(写真提供:立命館宇治中学校)

2016年に入ってから、たびたびニュースや新聞などで報道されている2020年度に向けた大学入試改革。その中でも英語科目については特に大きな変化となる。

2020年度から導入される予定の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の英語では、「話す」「書く」「聞く」「読む」の4技能が求められる。日本人の英語教育はこれまで「聞く」と「読む」に偏っていた。近年の中高の英語授業の中では「話す」や「書く」といった取り組みが皆無なわけではないのだが、現実的なところで大学入試という仕組みでほぼ必要とされていないのだ。

「話す」「書く」に重点

入試で必要でなければ「話す」「書く」時間を意味がないと考える子供や保護者、教員も中にはいるであろう。日本の英語教育の方針を見直すためには入試そのものの改革がまず必要となり、それが協議の末に4技能という方向性が打ち出され、動き始めている。

子供の英語教育に限らず、社会人の英語教育についても日本人と韓国人ばかりが受験しているTOEICがその典型例だ。「話す」「書く」よりも「聞く」「読む」が重視されがちだ。しかし、本当にグローバルに通用する人材育成を掲げた際には「話す」と「書く」は避けて通ることが出来ない。現在、日本企業がグローバル市場で思うように闘えていない最大の要因のひとつは実践コミュニケーションに必要な英語力が不足している点であることは明白だ。

2020年度の英語試験に大きく変革が起こるため、現在の子供たちは新しい英語教育を大人たちの試行錯誤と共に進んでいくことになる。

そんな中、2月23日のNHK『おはよう日本』で京都にある立命館宇治中学校の短期英語留学の様子が放送された。中学2年生30名が2月7日から2月14日までの約1週間をセブ島にて短期英語留学を実施したという内容であった。

筆者は今回放送された立命館宇治のセブ島短期英語留学の研修プログラムのコーディネートを担当した立場。本稿では、話題になったこの研修プログラムにどういった背景があり、どんなプログラムを実施したのかを解説していこう。

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