人間関係がうまくいかない人は「論語」を読め 「こんな会社、辞めてやる」と思う人への格言
孔子は、
「備わるを一人に求むること無かれ」(微子第18-10)
といって「ひとりにすべての能力を求めるな」と戒めていますが、上司に対しては、「自分より能力が高いから、上司なんだろう」と厳しく採点しがちになっていませんか。また、
「其の位に在(あ)らざれば、其の政(まつりごと)を謀(はか)らず」(憲問第14-27)
という言葉もあるように、そのポジションでないと見えないこともたくさんあります。
たとえば、新しい業務が増やされたとします。「同僚よりも業務が多く、不公平だ」と不満に思うかもしれません。しかし、上司が「誰よりも期待しているから、新しいプロジェクトにも取り組ませてみよう」と考えているとしたら? まったく逆の評価であることがわかります。
「親の心、子知らず」ともいいますが、自分が親になってみないとわからないこともあるように、立場によって視点は大きく違ってくるのです。
どこに行っても「人間関係」はついて回る
人は、ひとりで生きていくことはできません。「こんな上司も部下も、もう限界!」と思うかもしれませんが、どこに行っても、いい人もいれば悪い人もいます。逆にいえば、悪い人だけでもないでしょう。会社の制度まで変えていくのは難しくても、自分が変わり、少しずつでもまわりの人間に影響を与えることはできるかもしれません。
『論語』の内容は、実はとてもシンプルで、「思いやりの深い人間になろう」といっているのです。
「一(いつ)以(もっ)てこれを貫(つらぬ)く」(衛霊公第15-3)
という言葉もありますが、名経営者や名リーダーと呼ばれる人たちが『論語』を愛読するのも、結局、人間ひとりにできることはそんなに多くないと知っているからなのではないでしょうか。
イライラしたり、心が落ち着かないときには、ひと呼吸置いて『論語』を読んでみることをおすすめします。
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