人間関係がうまくいかない人は「論語」を読め 「こんな会社、辞めてやる」と思う人への格言
さらに孔子は、
「憤(ふん)せずんば啓(けい)せず。悱(ひ)せずんば発せず」(述而第7-8)
とも言っています。
これは、「やる気がないなら、教える気にはならないぞ」という意味。教える側にだって、モチベーションがあります。孔子の時代にも、「指示待ち人間」がいて、頭を悩ませていたのでしょう。
「人を責める自分はどうなのか?」を振り返る
「ああ、いるいる」と部下や後輩を思い出して、ため息をついているかもしれません。しかし、あなた自身はどうでしょうか。孔子は、自分をたびたび振り返っています。
「不賢を見ては内に自ら省みる」(里仁第4-17)
人を注意・批判することは簡単ですが、それを見て「さて、自分は大丈夫だろうか? できているだろうか?」と反省できる人間はどのくらいいるでしょうか。自分のためにも、常に自分の成長をセットで考えたほうがよいのです。
「後生(こうせい)畏(おそ)るべし」(子罕第9-23)
という言葉では、「若者はおそるべき存在で、自分たちより優秀かもしれないよ」と、年下の人間の可能性を説いています。「ダメなヤツ」「使えない」という気持ちではなく、磨けば光る原石と思い、育てていく気持ちが大事なのでしょう。
人を変えることはできません。変えることができるのは、自分だけ。『論語』では、徳のある仁者をめざすことを目標としましたが、「仁」、つまり、思いやりや慈しみの心をもって当たれば、人を動かすことはできます。自分が変わり、人の心を動かすことが重要なのです。
上司を万能と思わなければ許せる
上司と合わない……と上司との人間関係に悩む人も多いでしょう。
どんな点が合わないのでしょうか。仕事をしない? 正当な評価をしてくれない? それとも、部下の成果を自分のものにする?
すべてにおいて完ぺきな人間がいないように、すべてにおいて無能という人間もいません。何かしら、「長所」があるはずです。
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