高コスト体質の百貨店業を根本から変えていく--近鉄百貨店・飯田圭児社長

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現在のようにモノに対する欲求が低くなっている状況下では、サービスを提供していかなければは苦しいだろう。一方で、価格面でも訴求しないと購買意欲を刺激しない

--各社、食料品売り場を拡充する傾向にある。一方で、スーパーも高質化を掲げ幅広い商材を取り扱うようになっている。この面を見ると、百貨店とスーパーの垣根がなくなりそうな勢いだが。

近鉄百貨店の店舗はターミナル型だ。これから共働きの夫婦が増え、仕事帰りに買い物するなら、ターミナルにある百貨店で買っていくだろう。スーパーと違って、よく見ると生鮮食料品などは幅広い品ぞろえだ。たとえばお造りでも、百貨店だからこそ入荷するような旬の魚を取り込んだものが、実は多い。価格的にもスーパーとそれほど変わらないはずだ。

総菜や保存食品、お菓子など、デイリーに自分たちが食べるものがある一方で、百貨店にはギフト向けという要素もある。そんなギフト向けでもデイリーに買ってもらえるような、すなわち箱単位ではなくて、1個、2個でも買ってもらえるような売り方、見せ方も拡充させる。高いものだけではなくて、リーズナブルなモノもより多くそろえ、デイリーに百貨店で買ってくるような仕組みを作りたい。

--14年の阿倍野新店開業まで5年あるが、現在はどのような状況か。

新店準備部を発足させた。これまでは商圏顧客の意識調査や自社への要望、お客からみたイメージ、位置づけ、社員のイメージ、有識者のイメージなどを調査してきた。そのうえで、どういう店づくりにするかマーケティングを中心にやってきて、それがある程度データが集まってきて方向性を決めた。これからは実際の商品構成や「モノコト連動」などをどのフロアでどういう形で落とし込むかといったゾーニングやマーチャンダイジングを考えている段階だ。

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