高コスト体質の百貨店業を根本から変えていく--近鉄百貨店・飯田圭児社長

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--近鉄百貨店は、業界再編という大きな流れからは一歩距離を置いているような印象を受ける。

和歌山、中部近鉄百貨店と統合したばかり。同じグループでも、制度やシステムなど若干違うし、ましてや社内制度や社員の意識もかなり違う。それを統一していくのにも半年、1年はかかるだろう。実際の統合効果を出すのはそれ以降。合併することとは、なかなか難しいと実感している。

ただ、今回の合併で、中核店と位置付ける規模を持つ店舗が上本町(大阪)、奈良、橿原(奈良)、和歌山、四日市(三重)と5つの核ができた。本店も含めて共通の取引先もあることで仕入れコストの削減や開発商品のロットの拡大などが実施できる。これを生かしたい。

小型店は量販との競争が厳しい、独自のマーチャンダイジングで百貨店の形態を守るのか、あるいは専門店形態のウェートを増やして最大限の収入を得られるポートフォリオをどう構築していくか、それぞれの店舗で対応を考えていく。

業界再編は進んでも、他社のように北海道から沖縄まで一元的にできるのか。各エリアで嗜好も違うし、気候などシーズンも違う。マーケティングをしっかりやって、エリア別にマーチャンダイジングをやっていかないと、本部のオペレーションでは難しい。その点、わが社は近畿圏に特化しているのでやりやすいのでは。売上高規模で見ても、近畿圏では他社とそん色はない。

いいだ・けいじ
 大阪府出身。大阪府立大学経済学部卒。1971年近畿鉄道入社、72年に近鉄百貨店に移籍。上本町店長などを経て、06年常務取締役、08年5月に専務取締役、09年3月から現職。61歳。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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