最終的に勝つ人の「絶対に負けない技術」 孫子の兵法から学ぶ「4つのルール」

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鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの墓碑銘に、Here lies one who knew how to get around him men who were cleverer than himself.(自分より賢い人間を周囲に集める術を知る人間がここに眠る)と刻まれたように。

自分より優秀だな、自分にない長所を持った人だな、自分が弱い分野に強い人だな、という人たちになるべく出会い、その人たちを活かすことを考えましょう。自分ひとりの力には限りがありますから。

焦って戦わず、長期戦に持ち込むべし

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・負けないルール4:10年先、20年先の戦う場所を決める

今すぐには勝てなくても、5年後、10年後、20年後であれば勝てそうなテーマや領域というものがあります。どうせ人生は長いのです。焦って戦うのではなく長期戦に持ち込みましょう。その時大切なことは、戦う場所とタイミングを自分で決めるということ。追い詰められて戦わざるをえなくなるのではなく、自分が主体的に動かしていくのです。

孫子は、「戦いの地を知り、戦いの日を知らば、千里なるも戦うべし」と教えてくれています。決戦の地がどこで、いつ戦いが始まるかがわかっていれば、はるか遠い地であっても戦ってよいというわけです。なぜなら、きっちり事前準備できるから。

仕事や人生も同様です。10年もあれば、大概の分野でそれなりの専門家になれます。20年もあれば、第一人者になるのも充分可能です。20年も経つと、その道の大先輩たちはこの世から消えてなくなることも多いでしょう。現状の延長線上で考えず、発想を変えてみるのに、おすすめしたいのは20年後です。20代なら40代でどう戦うか考えてみましょう。30代なら50代。それなりの地位や立場に立っていると思います。

それはどの分野でしょうか。そこに向けて臥薪嘗胆です。臥薪嘗胆とは、孫子の兵法を生んだ呉越の戦いから生まれた故事成語ですね。その時は負けたように思えても、そこで諦めるのではなく、薪の上で寝たり苦い肝を舐めて、悔しさを忘れずにリベンジを狙うのです。負けたと思って諦めたらそこで終わりですが、負けた反省を次に活かせば大丈夫。まだ終わっていません。

この時、ヘタなプライドがあったりするから、ちょっとした失敗で心が折れて、「俺はもうダメだ」なんて言い出すことになるのです。勝とう勝とうとせず、負けないこと。再起不能の大敗がいちばんまずいのです。小さなプライドを頼りに、「気合と根性じゃ負けないぞ」と強大な敵に挑んで行ったりするから、ズタズタにされて再起できなくなるのです。

そんな人のために孫子は、「小敵の堅なるは大敵の擒なり」と忠告してくれています。力もないのに、強い敵に向かって突撃したら、飛んで火にいる夏の虫になるよというわけです。こんなことをしてはいけません。悲しくても、辛くても、悔しくても、恥ずかしくても、じっとチャンスを待って、耐え忍ぶのです。20年後に自分が設定した場所で勝てばいいのですから。

こうした「負けない姿勢」を10年、20年と継続できる人が、その他大勢から抜け出し、人生という長距離レースを笑顔で終えることができるのです。これが、2500年もの時を経ても尚、洋の東西で高く評価される孫子の智恵なのです。

長尾 一洋 NIコンサルティング代表取締役/中小企業診断士

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ながお かずひろ / Kazuhiro Nagao

最古にして最強の兵法書『孫子』の智恵を、現代の企業経営や営業活動にどう応用すべきかを説く兵法家であり、経営コンサルタント。『孫子』を単なる中国古典の解説で終わらせず、リアルなビジネスに応用・実践してもらうべく、『孫子』の講座やセミナー講師を多数務める。 『必勝の営業術55のポイント』(中央経済社)、『小さな会社こそが勝ち続ける 孫子の兵法 経営戦略』(明日香出版社)、『まんがで身につく孫子の兵法』(あさ出版)、『仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる』(KADOKAWA)など多数の著作がある。

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