数ある家電の中でも空気清浄機を作ることにしたのは、やはり世の中のニーズが大きいからだ。昨今、花粉症の低年齢化が進んでおり、黄砂やPM2.5など大気汚染への不安も拡大している。今年もインフルエンザが大流行しているが、気密性の高いマンション暮らしが増え、ウイルス感染の心配も昔より大きい。
また、無印は中国でも140店舗展開しているが、現地へ転勤した社員がPM2.5に悩まされるなど、大気汚染の深刻な状況を目の当たりにしてきた。この空気清浄機は、こうした世界の「空気の問題」を解決したいという思いから生まれたという。
こんな外観、見たことがない!
まず目を引くのは、やはりビジュアルだろう。2009年にOEMで作られた無印の旧商品を始め、空気清浄機はたいてい四角い形をしているが、これは従来の市場では見られなかった円筒形なのだ。スマートであり、かつ家電の無骨な印象を和らげるこの優しいフォルムに、一目ぼれした購入者も多いことだろう。
筆者も、電化製品独特の無機質な雰囲気が苦手だ。インテリアという視点から見ても目障りな製品が多いと常々思っている。しかし、このデザインからは、不思議とその不快感が生じない。実際に商品をお借りして自宅に置いてみたが、6畳の狭い部屋でも、従来の家電のような圧迫感や違和感がないのである。
いい意味で家電らしくないのだが、そこは開発側も強く意識している部分のようだ。「家電を作っているつもりはなく、暮らしの道具のひとつととらえています。この価値観に共感する人が買ってくださっているのでは」と、開発を担当した良品計画生活雑貨部の池内端さんは話す。主な購買層は、やはり無印ファンや、デザインにこだわる人が多いという。
しかも、幅25×奥行25×高さ49.8cmとコンパクトなのに、対応面積も30畳と広い。市場の中でも30畳対応型としては最小だという。また、市場では10kgを越える商品も多い中、約6㎏(フィルター含む)と軽量だ。空気清浄機は重くて運ぶのがおっくうというイメージがあったが、腰痛持ちの筆者でも割と楽にほかの部屋へ移動できた。
肝心の機能だが、「単機能・高性能」をうたうとおり、非常にシンプルだ。空気をキレイにするという1点に特化しており、加湿器などほかの機能はいっさいない。3段階の風量切り替えと自動の「AUTOモード」、強力な「ジェットクリーニングモード」と、運転モードも必要充分。3歳の息子もピッピッと何回かイタズラ押ししただけで操作法を理解したようである。
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