その日の放送も、バレンタインデー間近ということで、あるメンバーが仲良くなりたいと憧れているメンバーに対してプレゼントを渡しながら告白する、という企画が展開されていました。しかも、ただ告白するだけでは面白くないと、ちょっとした趣向が。
「この子は私のことが好きなはず!」と自信のあるメンバーは自ら名乗り出て、プレゼントを受け取ろうとするのです。複数のメンバーが名乗り出た場合も、本命として告白されるのは一人だけ、それ以外の人は「勘違い」「思い込み」「片想い」とMCからいじられる、そういう企画です。
英語にも似た表現はあるのはあるが…
トップバッターとして北野日奈子というメンバーが登場しました。その時「われこそは、彼女の想い人」とばかりに、3名が立候補します。MCのバナナマンは、それぞれのメンバーに対して、なぜ彼女が自分のことを好きだと思うのか、ふだんどんな付き合いをしているのか、などを確認していきます。いわば「仲のいいアピール」合戦ですね。
選ばれなければ恥をかく。でも、きっとあの娘は私のことが好きなはず。そんな状況で、衛藤美彩というメンバーは、バナナマンから「どう? 自信ある?」と尋ねられると、すかさず、胸を張ってこう答えたのです。
「自信しかないです!」
本当に自信があるにしても「自信あります!」「かなり自信あります!」「絶対、私です」というような答えが返ってくると思っていた私は、ちょっと驚き、次に、ちょっとした既視感を覚えたのです。というのも、「~~しかないです」という言い回しに違和感を感じたのは、そのときが初めてではなかったからです。
思い起こせば、初めてこの言い回しに接したのは、およそ1年ほど前。仲のいい大学院生と話していたときのことでした。修士課程を修めた後には博士課程に進み、ゆくゆくは大学に残って研究職に就きたいと語る彼に対して、私はごく普通に、「へー、そうなんだ。両親はそういう進路に対して理解あるほうなの?」と尋ねたのです。
すると彼は「理解しかないですね。両親とも研究者なんで」とにこやかに答えたのです。
その瞬間、「え?」と当惑したのをとてもよく覚えています。「なんで、そんなに理解だけと言い切れるんだ」「親御さんとしては、当然、理解以外の感情もあるだろうに」と突っ込みたくなる気持ちをぐっとこらえました。
次に頭をよぎったのは、英語の「nothing but~」という表現。これは「~~に他ならない」という強調表現です。
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