工藤公康「理想のリーダー論などありません」 "後悔だらけ"の野球人生から導き出した答え

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――そんな日々の積み重ねで、昨シーズンは優勝という結果が出ました。ご自身のやり方が合っていたと思われますか?

いやー、優勝したからといって合ってるかわからないし、監督がいいから優勝できたという考え方もクエスチョンですよ。

――個々が力を発揮できたからでしょうか?

そうですね、個々の力や、皆が連覇したいという気持ちの強さが大きな要因だと思います。

――今シーズンに向けて、工藤さんなりの目標は?

僕の目標は、選手がケガなく1年終わってくれること。そうすれば、答えは出てるかと。

――選手にもそう話すのですか?

選手がケガをして離脱することは、チームにとって何よりも大きな戦力ダウンであり、ただ調子がいい悪い、打てないとかより、はるかに大きいんだよという話は、選手にもつねづねしています。

監督は叩かれるためにいる

――1年監督をしてきて、監督の面白さを感じていますか?

面白さではないけど、監督ってね、いちばんいいとこ取りなんですよ。まだ1年目なのに「工藤ホークス」なんて名前がついて、優勝したら真っ先に胴上げしてもらって、優勝監督インタビューしてもらって。

――反対に悪いといちばん叩かれる。

しょうがないですよ、監督は叩かれるためにいる。いいときはあまり監督要らないんですよ。悪いときに選手をどうやってフォローしたり、かばってあげたりするか。それが上の人間の役割。上が責任を取らなければいけない。いいときだけ上が出てきて、悪いときは2番手が出てくるとか……。

――組織ではありますね。

ありますよね。でも、いいときに上は出てこなくていい。そもそも、そういうために上がいるんじゃない。

――監督を長く続けたいとお考えですか?

あまり強い思いはないですね。かと言って、選手をほっとくということじゃないですよ。次々にいい選手が入ってくるし、続けられればいいというのはあります。

ひとりの人間がずっと監督を続けるのも一つの方法だと思うけれど、新しい人がくることで新しい見方や考え方、情報が出てきて、野球のやり方も変わってくる。野球を学ぶという意味で、それはすごく大切なこと。

ひとりだけのやり方を続けて勝ったとしても、それは一つの方法にしかすぎない。いろんなやり方を学び、そのいい点も悪い点もわかった上で、どんなことにも対処できる状況を作ることが大事だと思います。

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