ホークス快進撃の秘密は「本拠地改革」にあり あの「新設シート」が選手とファンを変えた
いよいよシーズンの終盤戦へと向かうプロ野球。九州・福岡をフランチャイズとする福岡ソフトバンクホークスは、パ・リーグの首位をひた走っているが、その快進撃に大きく貢献しているのが、2015年のシーズンから福岡ヤフオクドームに新設された「ホームランテラス」だ。
ホームランテラスは、従来のライトスタンド、レフトスタンドの前に新設されたもの。フェンスが低くなるうえ、左中間、右中間が5メートル短くなったことで、ホームラン数が急増している。
昨年のホークスのシーズン本塁打(ホームラン)数は95本だが、今年は8月5日時点ですでに86本まできており、昨年の本数を超えることは間違いない。そのうち24本がホームランテラスに入った、いわゆる「テラス弾」だ。
「打撃面でプラスになることは間違いない」
もちろん、ヤフオクドームで戦う相手チームにとっても条件は同じで、ホークス投手陣もほぼ同じ数だけ被弾しているが、観戦するファンにとっては、それだけ試合がエキサイティングになったということだろう。
選手会長を務める松田宣浩選手は、これまでに6本のテラス弾を放ち、その恩恵を受けている1人だが「テラスがあるからといって特別な意識はない。どうせ(本塁打を)打つなら、やっぱりスタンドですよ」と語る。
実際に主力選手は、テラスなど眼中にないと言わんばかりに、打撃練習でテラスを超えたスタンド弾を次々と放っている。ホームランテラスができたことで、かえって「スタンドまで飛ばしてなんぼ」といった意識に火をつけたとも言えるだろう。
藤井康雄打撃コーチは「テラス弾でも記録上ホームランには変わりないけど、うちにはスタンドまで飛ばせる力をもった選手がいっぱいいるからね。ピッチャー陣にとっては大変だろうけど、ここ(ヤフオクドーム)で年間60試合以上やれるんだから、打撃面でプラスになることは間違いない」と話した。
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