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工藤公康「理想のリーダー論などありません」 "後悔だらけ"の野球人生から導き出した答え

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――去年成果が出たのは、その方向性が一つになっていたと。

そうですね。人生において1年というのは、短期的な目標にすぎません。けれど、その1年の中でも最終的な目標と、例えば短期・中期的な目標が必要であり、その方向性だけ示してあげれば、あとは選手たちがそれに対して意思を示してくれます。

――長期・中期・短期と区別して目標設定しているのですか?

最初からそうしようと思ってるわけじゃないんですよ。シーズンに入ったときに選手がその先を見なくてすむだろうとか、だんだん貯金ができてきて勝てるとか優勝できるとか思ったときに、じゃあその先を見ていくのか、今しっかりと足元を見ていくのか、そのときのチームの雰囲気や皆の動きをもとに考えます。

「チーム」よりも「個人」が先にある

――工藤さんは昨シーズン、ずっと「3連戦で負け越さない」を目標に掲げていました。普通なら「目標は優勝」と言っちゃうところを、最後まで同じ目標で通したとか。

そうです。どのチームも「3連戦の中で勝ち越し」とは言います。ただ、ある程度貯金ができたときでも、じゃあ5個・10個・15個にしようとかではなくて、それはあくまでも結果であって、大事にしなきゃいけないのは3連戦の中での過程であるという考え方なのです。

3連戦で自分がどう動くのか、このチームに何ができるのかということを考え、一試合一試合の自分の仕事というものに集中してもらうのがいちばん早いと思っています。

――1年目、ほかに意識したことは?

まず大事にしたのはコミュニケーションを取ること。一人ひとりを知り、一人ひとりがどうなりたいのか理解することから始めました。その個をなくしてチームはありえない。チームが先と言う人もいるけれど、チームではなくて個人が先です。

――なぜそう思うのでしょう? ご自分の経験から?

野球を経験しながら、反面教師的な部分もあるし。

――要するに、「オレについてこい」という監督に?

うん(笑)。反対に、そういうことをまったく言わないことにも疑問があって。僕のベースとして、選手が長く野球をすること、選手がよくなることがいちばんで、その次に球団としての目標の優勝がある。

あとは選手がケガをせず、ケガしても悩んだり苦しんだりしないようにしたい。ちょっとしたケガなら「こうやれば戻って来れるんだよ」と説明したり、「このケガは時間かかるから、今は焦らず時間をかけてやらないと、ケガがずっと残っていっちゃうよ」と話したり。

僕自身もいろいろケガして悩んだ経験もあって、ケガで出られないことは苦しいけれど、その分出られるようになったときの喜びも大きいものだと思っています。

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【プロ野球は「仕事」である】

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