子育ての悩みには「トヨタ流カイゼン」が効く こうすれば子どもが自発的に動く!
さて、具体的に何をカイゼンするか、対象を決めて現時点での所要時間を計りましょう。対象は、子どもが毎日のように決まってやる「やるべきこと(用事)」から選びます。毎日やる作業であれば時間を計れるので効果が出た場合に実感しやすく、1日単位では短い改善時間でも、長期的に見ると大きな効果になるからです。
たとえば毎日遅めの時間に帰宅するご家庭であれば、平日の帰宅後~夕食前の時間のカイゼンをやってみるのはどうでしょうか。帰宅後に親が夕食の準備をしている間、手洗い・うがいから持ち物の片づけ・翌日の準備まで、子どもには自分でできるたくさんの用事があります。このそれぞれの所要時間を1週間記録するのです。
改善のためには個々の時間(片づけ○分、手洗い◯分など)をそれぞれ計るのが望ましいですが、面倒であれば合計時間だけでも結構です。一連の用事を子どもに委ねていたご家庭であれば、恐らく予想以上に時間がかかっており(自分のイメージと現実のギャップ)、毎日大きく所要時間にぶれがあります(ムラの発生)。
ここではまず親子でこの現状を認識して、その後の改善でギャップとムラを最小にしていく、つまり、毎日安定して同じ時間でできるようになることが大事です。
次に、「帰宅後にやるべき手洗い・うがい+園グッズの片づけ+通信教育のドリル=○分 」のように、子どもと一緒に目安となる時間を決めます。それを毎日計測して、思いどおりにできたかどうかを確認していくのです。
自分なりに工夫する楽しさを味わってもらう
ここでは無理に高い目標を掲げる必要はありません。毎日の平均値におさまればいいなど、簡単にクリアできる時間設定で十分です。時間を意識するだけでも、随分と早くなるはず。「目安時間よりも早くできた!」という小さな成功体験を積ませることで、時間を意識することや自分なりの工夫をする楽しさを味わってもらいましょう。
その上で、予定よりも早かったとき、遅かったときの理由を子どもと一緒に考えます。時間を意識して動くことを面白いと感じていれば、この段階では子どもなりに工夫をしているはずです。
「洗面所に行くときに、手洗いをするだけじゃなくて、洗濯物も持っていったよ」など、子どもなりの工夫を極力引き出してあげ、褒めてあげます。加えて、先ほどの「7つのムダ」に基づいて、親も一緒の改善策を考えましょう。毎日かかった時間を記録することで、改善効果を子どもにも実感してもらうことも忘れずに。
なお、親の関与度合い、つまり、完全に子どもに任せるか親と二人三脚で進めるかは、お子さんの年齢などの状況に応じて柔軟に判断してください。程度の差はあれ、子どもが改善に関わっていればOKです。
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