子育ての悩みには「トヨタ流カイゼン」が効く こうすれば子どもが自発的に動く!

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Step③ 親が子をフォローする:「しくみ化」する

ここまでやれば、親子ともに一定の効果が実感できてくるでしょう。ただ、そのしくみが定着しなければあっという間に元の状態に戻ってしまいます。カイゼンはそのときやって終わりではなく、それが風化しないように「しくみ」にすることが重要です。日々実践するのは子どもですが、それが確実になされるようにフォローするのは親の役目です。

常に子ども自身が確認できる形で明示しておく

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朝の用事は黄色、夕方の用事は青のマグネットに。イラストを添えるとわかりやすい

失敗例としてよくあるのは、子どもがやるべきことを「忘れてしまう」「わからなくなる」ケース。口頭で親が同じことを何度も言うだけでは、その場しのぎにしかなりません。たとえばこちらのように、やることをマグネットに書いておき、終わった順に上のスペースに移すというのもひとつの手です。常に子ども自身が確認できる形で明示しておきましょう。

また、「やる気がだんだんダウンしてしまう」ような場合には、チェックリストを使うのがおすすめです。毎日の準備やごはんを食べる時間など、何をどの程度の時間でやるのか、子どもと一緒に話し合って決めて親がチェックリストに落とし込みます。そして、毎日の生活の中で必ずそのチェックリストを使うのです。

できなかった場合はチェックをしないという減点法に加えて、予定の半分の時間でできれば2つチェックをつけるというような加点法も併用すると、子どものやる気もアップします。毎日のチェックの数を合計して頑張りを「視える化」することに加えて、毎日親自身がコメントしてあげることも効果的です。

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子どもは親のコメントをとても楽しみにしている。練習系のことは、やった時間を累計した形にしておくと、子どもの達成感もひとしお

トヨタの現場でも毎日の生産状況などを記録するボードがありますが、上司からのコメントやサインは部下の安心感や緊張感に影響します。同様に、子どもの頑張りを親としてサポートすることは、子どもの改善を定着させるのに大きな後押しになります。

トヨタと子育て。縁遠いイメージをお持ちだった方が大半かと思いますが、今回紹介したように活用できるポイントはたくさんあります。今回の内容を参考に、皆さんのご家庭なりのやり方で、お子さんと一緒に毎日の生活を見つめ直してみてください。「仕方がない」と諦めていたことに解決策が見つかり、毎日の楽しさが“ちょっとだけ”増えるかもしれません。

岡内 彩 OJTソリューションズ

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おかうち あや / Aya Okauchi

東京大学教育学部卒業。トレーナーや顧客企業への取材を通じて、人材育成のコツや強い現場づくりに必要な要素などの形式知化を進める。

OJTソリューションズ: 2002年4月、トヨタ自動車とリクルートグループによって設立されたコンサルティング会社。トヨタ在籍40年以上のベテラン技術者が「トレーナー」となり、トヨタ時代の豊富な現場経験を活かしたOJT(On the Job Training)により、現場のコア人材を育て、変化に強い現場づくり、儲かる会社づくりを支援する。 本社は愛知県名古屋市。60人以上の元トヨタの「トレーナー」が所属し、製造業界・食品業界・医薬品業界・金融業界・自治体など、さまざまな業種の顧客企業にサービスを提供している。 主な著書に20万部超のベストセラー『トヨタの片づけ』をはじめ、『トヨタ仕事の基本大全』『トヨタの問題解決』『トヨタの育て方』 『[図解]トヨタの片づけ』『トヨタの段取り』『トヨタの失敗学』、文庫版の『トヨタの口ぐせ』『トヨタの上司』(すべてKADOKAWA)が あり、シリーズ累計77万部を超える。

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