なぜ清原和博容疑者は引き返せなかったのか 身近な人たちは、いったい何をしていた?

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一つのことが終わったとしても、向上心をもって、さまざまな生きがいを見出せるよう、知的関心事を増やし、趣味を持ち、教養を深め、友だちと親しむ喜びを知る人間に誘導することが重要です。

そうしたことができている有名人の例は数多くあります。例えば、吉永小百合さんは人気抜群で、将来も映画界での栄光が約束されていた絶頂期に、時間のやりくりをして早稲田大学に入学し学ばれました。一流は違うなぁと、当時の私は感心したものです。

世界的なあるヴァイオリニストは、スケジュールの合間を縫って子供たちに、無料レッスンを継続的につけておられます。学者がさまざまな場で発言をしたり社会活動のリーダー的役割を果たしておられる等、ご自分の世界だけに閉じこもらない生き方をされている優秀な方たちは、その意思の強さで共通しています。

芸能界は薬物に汚染されているのか

これまでに多くのタレントが薬物の所持で逮捕されている様子を見ると、芸能界では多くの有名人が薬物を使用をしているのかもしれません。今みえているものは、氷山の一角に過ぎない可能性が高そうです。

芸能界は刺激を求める人が元から多い業界なのかもしれません。浮き沈みの激しい不安定さからの逃避なのかもしれません。しかし、妻子や仕事を失う悲しさから逃れるために薬物に頼っても、より孤独と悲しみが深まり、より多くのものを失うことになります。孤独や虚しさから立ち直るのは、時間がかかろうと、自分の生きがいを探し、自分の人生に責任を持つしかありません。

清原選手がバッターボックスに向かう時に流されていた「トンボ」をつくった長渕剛さんも、一度大麻の吸引で逮捕されましたが、見事に復活を遂げました。

時間がかかってでも、清原容疑者が復活し、新たな生きがいを見出し前向きに挑戦する姿をみたいものです。そして今回のような大きな困難を乗り越えたことも含めて、ふたたび野球少年の手本となる日が来ることを、願ってやみません。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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