医療という昼夜を問わず求められる公共サービスを担う病院勤務の看護職員は全国で83万人。その勤務実態は総じて厳しい。
58万人の看護職が加入する日本看護協会が看護職個人を対象に2008年10月の勤務について実施した初の全国調査によると、8割の職員が3交代・2交代制などで何らかの夜勤を行っている。
業務の性格から夜勤交代勤務は不可欠ではあるが、拘束時間が長い2交代制の夜勤の場合、仮眠が「だいたい取れていた」職員は44%にすぎず、仮眠時間が設けられていないケースも少なくない。また、3交代勤務者の58%が勤務間隔6時間以下というシフトを経験。当直勤務者についても42%は当直明けが休日とならず、続けて勤務している。加えて、いわゆるサービス残業や持ち帰り仕事も多く見られる。
当然のことながら心身の疲れがたまる。時間外労働時間が多い20代について見ると、6割が「朝起きたとき、ぐったりした疲れを感じ」、35.5%が「へとへと」と答えている。「やる気が出ない」「ゆううつ」「いらいらする」もそれぞれ4割を超え、6人に1人は「物事に集中できない」状態であることを自覚している。
看護の担い手の健康と生活の維持・向上、ひいては安全・良質な医療・看護サービスの確保に向け、事態改善への取り組みが急がれる。
(写真:今井康一)
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