(第20回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第七話『面接入門』其のニ

志望動機は志望の度合いを知るために、
尋ねられる質問だと心得よ。

 志望動機は、なぜその企業や仕事(職種)に興味を持ったのかを伝えなければならない。単に「好きだから」とか「面白いと思った」だけでは何も伝わらない。企業側は、あなたが企業の考え方や職種に向いているかどうかを判断するのだから…。その意味では、就職活動中に出会った当該企業の社員の「働き方への共感」を述べることも有効な手段となる。
 また、四月以降では第一志望なのか、内定コレクターなのかについて、鋭くチェックされることになる。基本は「第一志望企業だ」と相手に伝えることだと認識してもらいたい。

 総じて、自分自身のことをよく理解していなければ、面接官に理解してもらうことなど不可能だ。そのためにも「自己分析」の作業を、もう一度行ってみたらどうだろうか。自分自身の考え方の整理さえ行っていれば、面接官に自分のことをわかりやすく伝えることができるものだ。『急がば回れ』というではないか。多少時間や手間がかかっても、安全で確実な手段をとったほうが結局は早くなる。

 さて、まとめとして「第一印象で失敗(損)をする人」をあげていこう。面接官にとっての第一印象とは「表情」や「仕草」そして「話し方」といってよい。そのためにも"話し方"については再考してもらいたい。よくない話し方とは
(1)声が小さくて聞き取りにくい
(2)ぼそぼそと話すので聞き取れない
(3)あいさつの言葉がはっきりしない
(4)話のテンポが遅すぎる
(5)長々と話をしすぎる
(6)何を言いたいのかが不透明
といったところだ。つまり面接は会話であるという意識さえ持っていれば、解決ができることばかりだ。そこで、受けた質問に対して、まずは答えることを第一歩としてもらいたい。余計なことを考える必要はまったくない。同時に「結論を先に話す」ことを徹底してもらいたい。そうすることによって、あなたの第一印象は変わってくるだろう。

 なお、「アガっているのは不利か?」とよく質問を受ける。その際の答えは「アガっているから不利になることはない」となる。そして、このように続ける。「会話である以上、相手の目を見ないことだけは避けよう」と。緊張のあまり、笑顔がでなくても、多少表情が硬くても問題はない。ただし、面接官の目を見ずに(別に、ずっとにらみ続けろという意味ではない。)会話をしていくことは不可能だろうと。いつも、あなたが他者と話をしている時のことを思い起こしてもらえればよい。今回はこれぐらいのアドバイスにしておきたい。『言うは易く行うは難し』という。口で言うことは簡単だが、言ったことを実行するのは難しいものだ、という教えだ。とにかく、面接は回数を重ねること。人と会話をすることに慣れてもらいたい。祈健闘!
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
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