フランスワインの定着 その4:ボルドーワイン《ワイン片手に経営論》第8回
フランスワインの二大銘醸地のひとつであるブルゴーニュにワインがどのように根付いていったかを検討した前回に続き、今回は、もうひとつの銘醸地であるボルドーに目を向け、綴っていきたいと思います。
これらの6つの六角形の中で、3番から5番までは、概ね標高が200メートル以上の高台や山岳地帯で、残りの三角形は標高20メートル未満の平野部です。この平野部はさらに二つに分けることができ、一つ目が大西洋に臨む三角形2番のフランス西部の領域、二つ目が三角形の1番と6番のイギリスに面する地方からベルギーとルクセンブルグに接する地方をカバーしたフランス北部一帯です。
この中で、フランスワインの二大銘醸地のひとつであるボルドーは、三角形の2番、平野部でいくと大西洋に臨む一帯のやや内陸にある商業都市です。そして、このボルドーが属する一帯の地方をアキテーヌ地方と呼びますが、これは紀元前56年にローマ帝国に征服され属州となった際に、アクイタニア(水の国)と呼ばれたことに由来しています。また、ボルドーはフランス語表記で「Bordeaux」、この単語を分解すると「Bord-eaux」となり、「Bord」は「縁」、「岸」、「eaux」は「水」という意味ですので、そこからも、この地域一帯が水とは切っても切り離すことができないことが想像できます。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事