家計に教育費負担が重くのしかかっている。
昨年春に首都圏の私立大学に入学した新入生の家庭(父母)を対象に、東京地区私立大学教職員組合連合が実施したアンケート調査によると、自宅外通学者の場合、受験料、住居費(家賃、敷金・礼金)、生活用品の購入、大学への初年度納入金を含む「受験から入学までの費用」は215万円。これに仕送り額を加えた「入学の年にかかる費用」は305万に上り、父母の収入が伸びない中、世帯の税込み年収に対する割合は2003年度の30.8%から08年度には33.3%に上昇した。
家計に余力が乏しいのは、月々の仕送り額の推移からもうかがえる。何かと物入りの春を経て出費が落ち着く6月について見ると、01年から8年連続で減少。08年度の9万5700円という額は、ピークの1994年より2万9200円、割合にして23%も少ない。しかし、最大の費目である「家賃」が横ばいのままなのをはじめ、生活費の大幅な切り詰めは困難。「仕送り」以外の収入を確保することが学生生活を維持する上での切実な課題となっている。
08年度に自宅外通勤者で奨学金を希望した割合は71.0%と、前年度に続いて92年の調査開始以来の最高を更新。希望者のうち奨学金を申請した家庭の割合も急増し、08年度に73.6%となった。ただし、現行の奨学金は貸し付け中心であり、多くの家庭が返済不要な国の直接助成を求めている。
(東洋経済統計月報編集部)
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