――奨学金問題は貸与を受ける人が多いこともあって、世間の関心も高いです。取材も多いのでは?
5年近く理事長をやっていますので、いろいろな取材を受けましたよ。雑誌やら新聞やら……。正確に私の意図をきちんと伝えてくれるところもあれば、部分的にフォーカスして伝えられたりね。ただ、私もある程度は心得ていますよ。公的立場にある者は、部分的に切り取られることもある、ということを前提として、取材に応じていかなければならないので。
奨学金を返還できない人は、全体の2%強
――取材に当たって、「奨学金を返せない人の割合は、全体のどれくらいだと思うか」と何人かの人に質問してみました。その結果、「2~3割くらい」と答える方が多かったです。
要返還者が400万人いるんですけど、そのうち返還率は97%以上です。つまり延滞債権者の比率は2~3%。メガバンクもだいたい同じくらいなんですよ。無審査で貸与しているのに、この数字は本当にすごいことだと思います。日本人はやはり真面目な国民性なんだなと。
ただ、もちろん、いろいろな事情を抱えた人がいることは承知しています。ですから、そういう人に対してわれわれは、さまざまなセーフティネットを設けて、「こういうものがありますから、皆さん、遠慮しないで申し入れてください」とお伝えしています。フォローすることができる人には、あらゆる救いの手を差し伸べている。しかし、それは一切記事になりません。なぜかと言うと、あまりにも当たり前だから。
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