以前からその内容に注目が集まっていた、学校別の奨学金延滞率データ。結局、独立行政法人である日本学生支援機構が公表したのは2017年4月19日だった。
日本学生支援機構には、文部科学省から中期目標が与えられている。これを基に作成された第3期中期計画の中では、延滞率の公表について「大学等が確実かつ効果的に奨学生に対する指導を行うため等の情報提供の一環として適切に行う」とされていた。
実はこのデータは、2016年の段階では同年夏頃の公開が予定されていたが、ここまで延びてしまった。
給付型奨学金の制度作りを優先していた
その理由について、文部科学省学生・留学課は、「3月までは給付型奨学金の法案を通すために集中していた。学生、保護者などに周知する必要もあったため、そちらを最優先にしていた」という。日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長も「このタイミングで延滞率の問題を持ち出すと議論が錯綜する可能性もあった。給付型奨学金の法案成立や所得連動型返還制度が始まって制度的安定が実現し、ようやく延滞率の公表に踏み切ることができた」と話す。
内容は、「過去5年間の貸与終了者に占める各年度末時点で3カ月以上延滞している者の比率」などのデータ。大学だけでなく、短期大学、高等専門学校、専門学校についても延滞率を公表したのだが、このデータの公開形式は、個別学校ごとのシート形式だった。同シートを見るだけでも、平均値からの乖離を知ることはできるが、学校間で比較することは困難だ。
そこで、東洋経済は公表された全データを集約。これまでに4年制大学、高等専門学校、短期大学について延滞率が高い順にランキング化して記事を掲載した。
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