日本学生支援機構の公表データを基に、大学、高等専門学校と分析してきた奨学金延滞率ランキング。今回は短期大学について作成した。
短期大学は、一般的な4年制大学とは教育目的がそもそも異なる。原則2年という短期間で、教養教育やそれを基礎とした専門教育を提供することが主で、4年制大学のように研究という側面は大きくない。
また短期大学は、地域内進学の比率が4年制大学と比較して高くなっていることも特徴。文部科学省の「学校基本調査」によると、自県内の進学率は、大学が42.5%である一方、短大は67.8%となっており(2016年度)、地方での身近な高等教育機関として重要な役割を果たしていることがうかがえる。
奨学金延滞率の平均は1.5%
しかし、昨今の少子化の影響を大きく受けていることは自明だ。もともとブランド力を持っていた短大は4年制大学へ移行し、そうでない大学は職業教育色を強く打ち出すことで生き残りを図ってきたが、その数は減少する一方だ。今回のランキングで6位の大阪産業大学短期大学部や、27位の吉備国際大学短期大学部など、貸与修了者数に比べて学生数が少ない短大では、すでに募集停止をしていることが多い。一部の学科などの募集停止をしている短大も含めると、この数はさらに増える。
専攻分野としては、「教育」が全体の37.6%、「家政」が18.5%(文部科学省 「学校基本調査」)と、この2分野だけで実に半数以上となっている。短期大学に対しては、幼稚園教諭や保育士、栄養士などを目指す学生のニーズが高いことがうかがえる。進学するのが主に女性であることも影響しているだろう。
最新のデータである2015年度の奨学金延滞率の平均は1.5%。大学(平均1.3%)に比べるとわずかに高い。就学期間が2年と短く、県内進学によって実家から通っていた学生が多いはずで、負担は大学よりも多くないはずだが、少し厳しい結果になった。ランキング上位の延滞率については、大学と似たような数字が出ている。上位10校はいずれも延滞率が5.5%を超過しており、延滞率の高さは一部に偏っている傾向があるのも似た特徴だ。
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