誤送信でアドレス大量流出!法的責任は? 個人情報にあたる・あたらないの差は何か

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「ただ、その数字が、たとえば学籍番号の可能性があり、メールアドレスに所属先の大学の情報が含まれているような場合(『01234@**.△△-u.ac.jp』など)には、ほかの情報と照合すれば特定個人の識別が可能ですので、個人情報に該当しうることになります」

では、流出したメールアドレスが「個人情報」に該当する場合、誤送信した個人や組織には、どんな責任が生じるだろうか。

慰謝料請求されても、金額は5000~1万円程度

「その法人や個人が『個人情報取扱事業者』(同法第2条3項)に該当する場合は、個人情報保護法上の義務および責任が課されることになります。仮に、主務大臣の命令に違反したとすれば、最悪、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰が課されることになります同法56条)。

なお、法人格のない、権利能力のない任意団体や個人であっても個人情報取扱事業者に該当しえますので、責任は個人であっても法人であっても変わりません」

損害賠償請求を受けることになるだろうか。

「そうですね。プライバシー侵害による慰謝料請求が認められる可能性はあります。ただ、裁判例上、個人情報が流失した際に認められた慰謝料金額は、具体的な二次被害などがなければ、5000円~1万円程度に止まっています。また、メールアドレスが一般的には秘匿性の高い情報とまではいえないことからしても、仮に、慰謝料が認められたとしても、その金額は、非常に低額なものとならざるをえないでしょう。

むしろ、個人情報の漏出が生じた場合には、企業に対するレピュテーションが失われるリスクのほうが大きいと言えます。速やかに、謝罪および被害回復のために必要な対応を講じるとともに、被害者の方の不安を緩和させるためにも、状況説明および再発防止策を講じる必要があるのではないかと思います」

最所弁護士はこのように話していた。

最所 義一(さいしょ・よしかず)弁護士
東京大学農学部農業工学科(現生物・環境工学専修)を卒業後、IT技術者や病院事務職(事務長)を経て、弁護士に。一般企業法務や知的財産問題のほか、インターネット関連のトラブルの解決に精力的に取り組んでいる。
事務所名:弁護士法人港国際法律事務所湘南平塚事務所

 

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