中国研修旅行-厳しい北京の環境と、内向きなアメリカ人学生《若手記者・スタンフォード留学記 31》

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 正直なところ、「軟弱な」私にとって(笑)、北京滞在は1週間が限界です。

鼻水とくしゃみが止まらなくなり、ひどい乾燥のせいで、唇がひどく荒れて流血。食べものが口に合わなくて食が進まず、お通じの調子が狂う。水不足のためか、シャワーの勢いが弱く湯船にもつかれませんでした。加えて、サービスの水準ももうひとつでした。

以前、アメリカは快楽がないので、仕事以外の理由で訪れたくはないと書きましたが、北京も知的な興味や仕事以外では、まず訪れたくない都市です。天気がよくて、自然に恵まれた、北京とは好対照のスタンフォードから来ただけに、なおさら、そう感じたのかも知れません。

中国もこれから、経済発展とともに清潔度は徐々に上がっていくのでしょうが、良くも悪くも、「日本的な」洗練、清潔さを中国が手に入れることはなさそうです。こうしたことに対する文化的な違いがあるのでしょう。

アメリカ人は日本人よりも内向き

今回の旅行で、もう一つ面白かったのは、アメリカ人学生の人間観察。

アメリカ人の友人と部屋をシェアしたり、旅行全体の企画に関わったりしたので、アメリカ人やその他留学生の本音や生態を知る良いチャンスでした。

感想を一言で言うと、「アメリカ人も日本人に負けず劣らず、内向きで、軟弱だな」ということです。やはり、豊かな国の若者は、たくましさを失ってしまうのかもしれません。

わがままさ、という点では、日本人の随分上を行っています。概して、日本人は集団行動の際は、個人の不満は内に秘めますが、アメリカ人はそうではない(私自身、この文章では、中国への不満をたらたら述べていますが、旅行中は誰にも言っていません)。

今回の研修旅行では、大半のコストはスタンフォード大学側の負担だったのですが、奨学金に頼る貧乏学生もいますから、1泊6000円程度のホテルを選択。それでも、中国では4つ星でしたが、この値段だと、大したサービスを期待できないのは、当然です。

にもかかわらず、朝食のバイキングにコーヒーがない、部屋にアイロンがない、従業員に英語が話せる人間が少ない、インターネットがつながりにくい、などなど、文句のオンパレード。欧米方式が当たり前だと思っていて、現地の方式に自分が合わせようという気持ちはさらさらないようです。

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