"食通世代"が、米国の食市場を激変させる! 「ホールフーズ」の次には何が来る?

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「食」はミレニアルズにとって、デジタル時代に人と人とをつなぐコミュニケーション、エンターテイメントの重要な要素なのです。

フードポルノ「食は自己表現」

デジタル時代のミレニアルズの食をダイレクトに表現する言葉、それが「フード・ポルノ」です。まるでポルノのように食べ物を美しく魅力的に「セクシー」に撮影してネットにあげたものを指します。そのものズバリのウェブサイトもあれば、インスタグラムなどのSNSにはこうした写真が満載です。

ホールフーズの店内

日本でも同じかもしれませんが、レストランに行く目的のひとつはSNSなどに挙げる「写真を撮るため」。いちいち写真撮影をしているために、客1人あたりの滞在時間が長くなって、回転が悪くなっているというデータもあるほどです。「食を通した自己表現」の究極がフード・ポルノなのです。

ミレニアルズの過半数は従来のスーパーには魅力を感じないと答えており、これはそれ以外の世代の倍以上の数字です。

また価格に関しては、食品を予算内で買うべきと考えるミレニアルズは50%。ほかの世代の62%(ミンテル調べ)に比べると、少し高くてもいいものを買いたいという気持ちがここに現れています。前述したホールフーズなど割高なオーガニック・スーパーが人気を集めていることの裏付けになる数字です。

しかし、その傾向もここ数年で変化しているようです。ハートマン・グループの調査結果は「親の世代よりも高いものを買いたい」というミレニアルズは31% で、2011年の38%から減少、つまり「いいものであれば高くても買う」という人が減っているのです。その理由はミレニアルズがリーマンショック以降は節約型に転じていて、いくら質が良くても高すぎるものは買わないという実態がわかってきました。

その大きな現れが、ホールフーズ・マーケットの失速です。従来のハイエンドのお店のほかに、価格を抑えた新たなチェーン展開を模索しているというのが2015年の大きなニュースになりました。

その点でミレニアルズたちの心をがっちりとつかんで離さないのが、スーパーマーケット・チェーンの「トレーダー・ジョーズ」です。

トレーダー・ジョーズはカリフォルニアを中心にチェーン展開し、ニューヨークには2006年にオープンしました。

オーガニック、ナチュラル、グルテンフリーなどの商品が、ホールフーズに比べずっと抑えた値段で売られています。しかもパスタからスナック、冷凍食品までほぼすべてがプライベート・レーベル(自社ブランド)。もちろん生鮮食料品もそろっていて、ミレニアルズ御用達のスーパーフード(チアシード、キヌア、ケールなど)も手軽に手に入ります。ニューヨークでの店舗はまだ少ないのでお客さんが殺到し、時には入場制限があるほど。

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