中国・韓国・台湾もグリーンブーム! 大型政策が新興企業を後押し
家電や自動車などで急速に日本を追い上げた東アジア各国が、グリーン産業の分野でも官民挙げてキャッチアップを図っている。
「グリーン・ニューディールは雇用拡大を優先させるという政府の意思表明だ」--。米国新政権の高官さながらに、韓国政府の韓昇洙首相は2009年1月初旬、現地記者を前にこう語った。リーマンショック以来、激しい輸出減速と株価低迷、ウォン安に直面している韓国。李明博政権は景気浮揚を狙い、韓国版グリーン・ニューディールに乗り出すと決めた。国家・民間で合わせて約50兆ウォン(約3・2兆円)を投じ、96万人の雇用を創出する(下表参照)。
河川整備など従来型の土木事業もあるが、目玉はやはり再生可能エネルギーとエコカー。現地報道によると、太陽光など再生可能エネルギーの発電装置を導入する家庭に対し費用の実に6割を政府が負担。また7月から国内自動車メーカーが量産を始めるハイブリッドカーは、購入にかかる消費税や登録税といった費用を最大270万ウォン(約17万円)まで免除する。物価や為替を考慮すれば、日本以上の支援規模といえる。
補助金による製品購入支援で、国内の関連産業育成を目指す。サムスン電子や現代自動車などの韓国主力企業は両分野の製品や技術では、日欧などの競合企業に出遅れた感があるのが現状だ。ただそれだけに、大型奨励政策の導入に対し国内識者からは「後追い分野に補助金をバラまくのは無駄」との批判も出ている。
中国では風力バブル LEDにベンチャー続々
企業力では実は中国が先行している。1月の米デトロイト・モーターショーでは中国の民間自動車メーカー・比亜迪汽車(BYD)が注目を集めた。1995年に家電用電池メーカーとして創業、自動車業界に参入してわずか6年。だが日米の自動車大手に先駆け、家庭用電源で充電できるプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車を複数展示したのだ。
既存の乗用車では国内市場でも決して評価は高くない。だがエコカーへの鮮明なシフトで、08年9月に米投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社から巨額出資を得るなどし、存在感を高めている。