頭の中を「仕分け」するだけで"成果"が変わる

一流の人はなぜ「シンプル思考」なのか?

思えば、私たちはどれだけ普段「変えられないこと」について嘆いているのでしょうか?頭の中で仕分けし、シンプルに捉えることでこの悩みの多くがすっと解消できるのに、実にもったいないことです。

すべての仕事で100点を取らなくても良い

そういう私も、シンプルに物事を捉えられなかったために、仕事で恥ずかしい思いをしたことがあります。かつてお付き合いがあったソフトウェア会社の社長から、構想中の新規事業の企画書を取りまとめて欲しいというオーダーをいただいた時のことです。私はまだ駆け出しだったためノウハウに乏しく、何も書けずに時間が経つばかり。3日かけて書けたのは、たったの3行だけでした。

このまま会議に参加すると怒られるのが目に見えているので、最初で最後の仮病を使ってクライアントとの会議を欠席しました。後日、その社長に会うと開口一番こう言われました。「君は仮病を使って休んだでしょ。どうせ企画書がうまく書けなかったのだろう。私は100点の完成度など求めてなかった。60点でよいから、たたき台を作って欲しかっただけだ」と。すべては見透かされていました。

そこで気づいたのです。仕事はすべてが全力で100点をとらなければダメなものばかりではないということです。60点の完成度でたたき台をつくって、残りの40点を他人や顧客と議論しながら埋めていく仕事もあるのです。100点の完成度と60点の完成度を頭の中で混在させていては、前進しない場合があります。仕事内容によっては100点仕事と60点仕事を仕分けし、頭をシンプルにして行動しなければなりません。

問題を仕分ける事でシンプルにするという視点は、一流の人はタスク管理にも活用しています。ネット社会の普及は「いつでもどこでも仕事ができる」ようになった分、逆に業務が増えて時間配分やタスク管理に悩む人が増えてきました。うまく仕事の段取りをしようにも頭がゴチャゴチャしてしまいがちです。

では、結果を出す人は、いったいどうしているのでしょうか。タスク管理もシンプルに捉えます。たとえば、かつてある外食ベンチャーの経営者の講演会を聞いた時のことです。「一流の店長ほど休みを多くとる」という話をしていました。それは、自分がする仕事と他人に任せる仕事を上手に仕分けできるから、結果としてすべて自分がやらなくてもスムーズに権限移譲が可能になるという話です。その結果、業績がよくチームワークが良い店長ほど長期休暇をとるそうです。

私のクライアントを見ていても同じことが言えます。真面目な人や向上心が高い人ほど「なんでも自分でやらないと気が済まない」のです。しかし、自分でスキルアップして頑張ってみたところでキャパには限界があるため、最大のパフォーマンスを発揮することはできません。

また後輩や部下の教育機会も奪ってしまうことになります。部下に任せて教育してみようと思ったところで「自分がやった方が早い」といっては、また仕事を取り上げてしまうわけですから当然のことです。

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