大停電を回避せよ! 夏目幸明著

大停電を回避せよ! 夏目幸明著

大停電(ブラックアウト)だけは絶対に避けなければならない。少なくとも電力会社はみなそう考えているが、それがメディアで取り上げられることはめったにない。フリージャーナリストの著者は、執拗に取材を重ねて発電の第一線で働く人たちの体験や意見を、オフレコの部分まであえて記していく。中部電力の老朽火力(武豊二号)が解体目前から再稼働へと駆り出され予備率ぎりぎりを乗り切った話が、地味だが看過するわけにいかない、大停電を考える格好の素材としてまず登場する。

原発や火力に携わる人たちの本音が伝わってくる一方で、自然エネルギーの厳しい実情もリポートされる。太陽光発電が増えるほど大停電のリスクは高まるという指摘は原発ゼロとどう折り合いがつくのか、高コストと併せ理想論では済まない難しい現実がある。終章は原発安全対策を進める現場の熱い報告。稼働と廃炉のいずれになろうとも安全確保は優先される課題として貴重である。(純)

PHP研究所 1470円

  

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自動車「コロナ不況」が促す<br>部品業界サバイバルの行方

コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。