結婚したら必ず幸せになれるわけではないのだけれど、30代40代で未婚の人に出会うと「なぜ結婚しないの?」と聞きたくなる。関係性やタイミングを間違えると、相手の気分を害してしまう。
以前、知り合いの未婚女性(34歳)に何気なく近況を聞いたら、「既婚の人はどうして会うたびに『最近、どう?』と男性関係を聞こうとするんですか。何にもありませんよ。最近は部屋の模様替えをしたぐらいです」とにらまれた。一人暮らしの部屋に、好みの家具を入れ、壁紙を貼り替え、食器も少しずつ買い替えているらしい。なんだか楽しそうだ。
だけど、疑問がある。ずっと独身で寂しくはないのだろうか。両親はいずれ先に死んでしまう。30年後の自分を想像したとき、孤立や貧困への恐れはないのか。自分の家庭を築かないと一人前の大人ではない、という社会的な欠落感はないのだろうか。幻想かもしれないが、結婚したことでこれらの不安を封じ込められたと筆者は感じている。
ストレートに疑問をぶつけても怒らず、等身大の意見を冷静に語ってくれる識者に会いたい。話題作『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』の著者であり、「未婚のプロ」を名乗るジェーン・スーさん(42歳)に話を聞くことにした。
40歳過ぎると結婚への「社会圧」がなくなる
――ご著書で「30代独身は自由すぎ、楽しすぎる」と書かれていますが、孤独感や不安感、社会的な欠落感のようなものはないのでしょうか。
もう一人は嫌だ、寂しいという気持ちがホントにないんですよね。その話になると、(独身の友だち)みんながポカーンとなってしまいます。
10数年前に結婚した友だちは、離婚をして鮭のように独身という川にチラホラ戻って来ました。このご時世、慰謝料をたくさんもらったりもできません。結婚しているからといって経済的な保証はない、結婚と安定には絶対的な相関関係はないんだなと勉強になりました。
結婚に意味がないとは言いません。お互いに何かあったときに助け合うという約束事として機能するし、そう簡単には「切れない」関係だとは思います。子どもが欲しい人も早く結婚したほうがいいでしょう。女の人には出産のタイムリミットがあるし、少なくとも日本は結婚していたほうが子どもを持ちやすい国だからです。
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