既婚者こそ傾聴すべき!「未婚のプロ」の教え ジェーン・スーさんに「晩婚さん」が直撃

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私自身は子どもがそんなに欲しくありません。本当にいらないのかな、大丈夫かな、と途中で何度か自分の気持ちを確認して現在に至ります。

――自分自身や周囲からの「早く結婚しろ」プレッシャーはありませんでしたか。

私自身も若い頃は「結婚していないと一人前じゃない、女として完成していない」と思っていました。40歳過ぎの独身者に対しては「大丈夫なの、この人?」と欠陥人間を見るような偏見もありました。でも、実際に自分が40過ぎの独身者になったときには時代がいい具合に変わっていて、都会で自活している女に対して「結婚しなよ」と言う人はもういません。腹の中では思っているにしても、です。

都市部に限っての話ですが、結婚が有利に働く社会システムにはなっていないと感じています。自分の生活を自分で賄える女は、結婚するよりも一人のほうが暮らしやすい。私たちがいちばん、「社会的な圧」が低いのです。こんな状況だなんて、日本はヤバいよね、と話しながら独身女同士でお茶を飲んでいます(笑)。

女友だちは唯一の「元本割れしない資産」

――消費という観点からすれば、都会で働く独身女性は大いに貢献していますからね。

そうなんですよ。消費部隊としては私たちはずっとがんばっています。納税と労働だけで義務は勘弁してくれ、と友だちとよく話しています。

酒井順子さんとの対談で、「東京は未婚女のドヤ街」だという話になりました。みんな出稼ぎに来ていて、とりあえず生活をしている。マンションの隣の部屋に誰が住んでいるのかも知らず、地域とは密着せず、稼いだ金は自分で消費する。こういう人生です。でも、楽しいんですよね。

人生は何が起こるかわからないので、私は「結婚しない」とは決めていません。いつか結婚するかもしれませんよ。でも、「しなくちゃいけない」とか「してないことが私の人生のマイナスだ」とは全然思わなくなりました。

――独身生活が楽しくて快適な理由は女友だちの存在も大きいみたいですね。

はい。女友だちがいなかったら私は今ごろ死んでますね。少なくとも、人生の楽しさは半分以下になっていました。男友だちのことはよくわかりません。そこまで腹を割って話さないから。

「女友だちは唯一、元本割れしない資産。だからじゃんじゃん投資しろ」と私たちは言っています。結婚をした人は、マリッジブルーからのマリッジハイで、ダンナや子どもに夢中になってしばらくは連絡が来なくなります。でもニヤニヤしながら待っていると、(女友だちの輪の中に)100%戻って来ますよ。

お互いに依存はしていないので、連絡が来ない期間も平気です。「連絡がないうちは幸せなのだろう」と思っています。女の集まりに来ないからといって、「あの子ひどいよね。結婚したら急に冷たくなった」なんて言う人は私の友だちにはいません。

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