激務の男性が、恋人と結婚を決意する「瞬間」 38歳アニメーターの「律儀なプロポーズ」

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激務の男性が結婚を決意する瞬間とは?(イラスト:堀江篤史)

腕のいいアニメーターの男性が3年前に「晩婚」をしたという情報が入った。さっそく紹介してもらう。蕎麦屋の座敷席を予約して待っていると、ギンガムチェック柄のシャツを羽織った精悍な顔立ちの男性が時間通りに現れた。フリーランスでアニメ関連の仕事をしている浜田哲也さん(仮名、38歳)だ。

出会いは、アート版「コミケ」

腰が低く、優しげな雰囲気が漂う哲也さんだが、妻である早苗さん(仮名、28歳)に対してはかなり積極的にアプローチしたようだ。7年前のデザインフェスタでの出会いから聞くことにした。なお、デザインフェスタとは東京ビックサイトで毎年開催される大規模なアートイベントのこと。オリジナル作品の展示・販売ができる。アート版のコミックマーケットのようなものらしい。

「知り合いが声をかけてくれて、出展者同士の交流会に参加しました。30人ぐらいでの飲み会です。当時はまだ学生だった妻は人見知りをしていたようですが、同じく機動力のない僕としてはゆっくり話すことができました。僕も居場所が見つかるとずっとその場にいて飲みたいほうです」

恋人候補を探していたので「出会いのきっかけになれば」という下心があって参加した飲み会だった、と哲也さんは振り返る。外見も好みで、話も合いそうな早苗さんとはさっそく連絡先を交換。知り合いも含めてメイド喫茶に遊びに行こう、と誘った。

「知り合いの都合で日取りが1カ月先だったので、待ち切れずに彼女を個別に誘ってしまいました(笑)。その頃、彼女は恐竜の絵を描いていたので、上野の国立科学博物館の恐竜展を選びました。恐竜の絵なんて男の子っぽい趣味ですよね。面白い子だな、とますます興味を持ちました」

すっかり気分が高揚した哲也さんは、昼食後には鉄道博物館(さいたま市大宮区)に足を延ばすことを提案。早苗さんのmixi日記を見て、彼女が『レイルマガジン』(鉄道情報誌)の購読者であることもチェック済みだったのだ。哲也さん自身も鉄道ファンなので、上野から大宮までの電車内でも会話が弾んだことは言うまでもない。

次ページ付き合いは順調なものの、ものすごい激務に・・
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