「イソジン」が、カバくんに別れを告げた理由 明治、看板商品を襲うライセンス解消の衝撃

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しかも、トレードマークの「カバくん」は明治だけに残る。そのため、明治は今後カバくんを前面に押し出したプロモーションを行う。

パッケージデザインは、現状のカバくんを用いたものを踏襲。変わった点は、製品名と、パッケージの側面にカバくんのイラストと「いつものカバくんと『うがい』をしよう!」「効き目は変わらないよ」「ず~っと変わらない味」という文言が加わったことだ。

イソジンを手放して、明治が歩む独自路線

同社ウェブサイトより

12月9日にはうがいに関する情報提供を行うWebサイト「明治カバくんうがいラボ」を立ち上げた。

明治の秋田グループ長は「イソジンはヘビーユーザーに支えられている。『明治うがい薬』になっても、中身がいっさい変わらないことを理解してもらい、2016年度も今年度計画と同じ売り上げを維持したい」と語る。

実際、ドラッグストアなど流通業界との商談でも、「ここまで同じなら良いのでは」という好感触を得ているという。

一方、ムンディが開発・製造し塩野義が販売する新たなイソジン製品も、これまで明治が販売していたイソジン製品と中身は同じだという。しかも、パッケージには「カバくん」ではないが、カバのようなキャラクターを採用。

つまり、来年4月からは、中身とキャラクターの動物は共通でブランド名が違う、2陣営のうがい薬が店頭で激突することになる。

うがい薬市場は新型インフルエンザの流行で盛り上がった2009年をピークに、マスクなど感染予防手段の多様化を受け、徐々に縮小している。

明治一強体制はイソジンブランド喪失で"ガラガラ"と崩れてしまうのか、本家本元のカバくんを持つ明治が健闘するのか。うがい薬市場は半世紀ぶりの転機を迎えている。

長谷川 愛 東洋経済 記者
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