池田弘が語る人と組織の育て方(第1回)--目を見ればやる気がわかる

アルビレックス新潟の奇跡

 それをベースとして、知り合いなどに呼びかけることで、人材のコアとなる部分をつくっていきました。新卒採用に関しては創立の3年目から開始、当時でも地元の大学などから数人が入ってきました。

--それから組織づくりを行なっていくにあたって、大切にしたことはなんでしょうか?

そのとき感じたのは、人間はみんな「幸福になりたい」「豊かになりたい」と思っているということです。だから、「じゃあ、どうやったらそうなれるのか?」ということを話し込んでいきました。これはまだ10~20人ぐらいの規模のときですが、誰かが落ち込んでいたり、考え方を理解していないような場合には、一緒に食事をしたりお酒を飲んだりして、徹底的に話し込みます。

そうすると、人というのは間違いなく変わってきます。そして、同じ理念を共有できる段階にまで上ってきてくれるのです。「一緒にやっていこうよ」と呼びかけて、そういう気持ちにさせてあげれば、あとは自ら頑張ってくれるものです。飲む、語る、共有するということは、人間関係をつくるということ。

そうやってつくった人間関係をベースにしながら、夢を持ち、それを一緒に叶えようという空気をつくる。そして、達成することによって人生を豊かに過ごすことができるというイメージを描く。そうしたビジョンを共有していくわけですが、それができるのは30人ぐらいまで。そこからは、いわゆる組織をつくらなくてはなりません。

しかし、当時は私自身も組織というものがどういうものなのかよく分かっていませんでした。ただ、部長や課長といった役職をつくり、部署を設けたものの、管理や部下の育成といった面では、みんな経験も乏しいために稚拙でした。

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