インド洋圏が、世界を動かす ロバート・D・カプラン著/奥山真司・関根光宏訳

インド洋圏が、世界を動かす ロバート・D・カプラン著/奥山真司・関根光宏訳

中国・インドの台頭によって急速に変貌しているインド洋圏は、どこへ向かおうとしているのか。インド洋圏とは、アフリカ東部から、アラビア半島、インドを経て、東南アジア、中国に至る海域。今、世界で最も成長しているエリアだ。もともと古代からモンスーンの風によって結ばれた大いなる交易圏だった。日本では海のシルクロードとして知られる。

米オバマ政権のブレーンであり、ジャーナリストとして知られる著者は、そのインド洋圏各地を訪れ、タペストリーのように織り成される複雑・多層な海域の地政学を、歴史的な裏打ち豊富に披露してくれる。

結局、ベクトルは一様でなく、多極化の方向と読めるが、中でも、インドと中国の間で「戦略的戦場」と化しているミャンマー、スリランカ、「イスラム教の将来を決める国」と指摘されるインドネシアの踏み込んだ記述は説得力十分。「新フロンティア」のダイナミズムは計り知れないようだ。

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