伊藤忠食品はイオンへのビール不当廉売問題に「ノーコメント」貫く

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伊藤忠食品はイオンへのビール不当廉売問題に「ノーコメント」貫く

伊藤忠商事系の食品卸大手、伊藤忠食品など食品卸大手3社が、大手小売りのイオンに不当に安い価格でビールを卸売りしていたとされる問題に関して、伊藤忠食品は「公正取引委員会から警告の事前通知があったかどうかも含め、現在開示できることはない」という姿勢を貫いている。

伊藤忠食品のほかに不当廉売を疑われている三菱食品、日本酒類販売は、公正取引委員会からの事前通知を受けたことを認めている。

この問題は食品卸大手3社が、物流コストなど諸経費を含めると赤字になる水準の価格で、ビール類をイオンに卸していた(不当廉売)ことから、イオン周辺の酒販店などが不利な取引条件を強いられたというもの。

イオンは23日に東京都内で会見を開き、「原価を下回る価格での納入を要請したことはない」として、食品卸3社が原価割れの状態で販売していた商品があるか否かについても「確認できない」と表明した。「正しい原価を出してくれないと対応できない」(イオンの横尾博専務執行役)。また、「卸売業者から要請があれば、常に取引条件に関する協議に応じてきた」と主張した。

価格交渉力の強い大手メーカーと大手小売りの間で、中間流通である食品卸の利益が圧迫される傾向は以前から続いている。2005年、ビールメーカー各社は、取扱量に応じて卸に支払っていた販売奨励金(リベート)を廃止。取扱量の多い大手卸の収入が多くなり、安売りの原資とされることで、中小の卸を圧迫することが懸念されたためだ。

ただ、リベートが廃止されたといっても、その部分を小売りの店頭価格に転嫁し、値上げをすることは難しい。結果として、卸の収益が圧迫される状況となった。

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