証券インサイダー情報漏洩事件、金融庁の自主調査命令に震え上がる大手証券

大型公募増資の主幹事証券会社によるインサイダー情報漏洩事件に端を発した金融庁による調査命令措置が、大手証券会社の間に波紋を広げている。

2009年から10年にかけて集中した大型公募増資では、当時からインサイダー取引のウワサが飛び交っていた。増資銘柄が増資発表の前に値下がりするケースが相次いだからだ。結局、その実情は証券取引等監視委員会の調査によって、今回、次々と明らかにされている。
 
 具体的には、野村證券、大和証券、SMBC日興証券と言う国内大手証券と、米系大手のJPモルガンの各社員が主幹事証券の立場から得られる情報を顧客に提供し、顧客が空売りなどで利得を上げていたことが判明した。

これを受けて、金融庁は7月3日、大手証券会社12社を対象にして、法人関連情報の管理態勢に関する調査とその自主的な報告を命じた。12社は、大型増資が集中した局面において100億円以上の公募増資の主幹事を務めたことがある証券会社だ。報告期限は8月3日だ。

この報告徴求命令を巡って、大手証券会社の間では戸惑いが広がっている。その第1の理由は金融庁の真意を読みきれないことにある。相次ぐインサイダー情報漏洩事件をふまえて、文字通り、その防止のための態勢を再確認するだけの目的であるのか、それとも、同報告を通じて、新たな事件をあぶりだそうとしているのか--。

今回、明らかにされた一連の事案に関して、証券監視委は「2年間、集中的に調査してきた」という自負を持っている。また、担当部門の調査はクロスボーダー取引にも及んでいた。さらに、証券監視委は、複数主幹事で国内投資家がインサイダー取引を行った事案から始まって、単独主幹事事案、さらにインサイダー取引を犯した投資家が米系の有力ヘッジファンドであるという「大物事案」を公表したうえで、間髪入れずに12社に調査報告命令を発出した。この当局の行動は絶妙だった。

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