なぜタイで人気?意外な地方都市の「営業力」 人気なのは、有名観光地だけではなかった!

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今回のイベントに向けて、和歌山県が用意していたパンフレットは1200部。しかし、初日で600部が消え、小出しにした2日目にも400部が無くなった。

魚井さんは、もうひとつ力を入れてきたことがあったと話してくれた。メディアを使った広報戦略だ。

日本での知名度=タイ国内の知名度ではない

「今回の大盛況は、タイのメディアや旅行会社の力なのではと感じました。タイの旅行業者を呼んで、和歌山の魅力を伝えることはもちろん、テレビ局や雑誌社にもアピールを続けてきたので。地上波の旅番組の力は大きいですよ。今月下旬には、タイでいちばん大きなテレビ局の番組も取材に来る予定です」

今回の取材でも、タイ人観光客が意外な地名を知っているということは多かった。それは、テレビの旅番組などの影響が大きいという。

和歌山県も2回ほど取り上げられたのは、”SUGOI JAPAN”という名前の旅番組。タイで有名な日本人俳優・佐野ひろさんが、日本の地方を回り、体当たりでお店や観光地を紹介していくという内容だ。日本人でも知らないような場所も出てくるのだが、そこに魅力を感じるタイ人が確実に増えている。

今回の取材を通じて、日本で有名な観光地だけでは物足りない、リピーターのタイ人たちがすでに多くいること、知名度が低くても、うまくアピールすることで多くの観光客を呼び寄せる自治体があることがわかった。その鍵を握るのは、誘致企画の切り口と、タイまで自ら出向いてアピールするフットワークの軽さ。今後はさらに、タイ人に大人気だという意外な観光名所が出てくるかもしれない。

藤村 美里 TVディレクター、ライター

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ふじむら みさと / Misato Fujimura

都立国分寺高校、早稲田大学卒業後、テレビ局入社。報道情報番組やドキュメンタリー番組でディレクターを務める。2008年に女児出産後、視点が180度変わり、児童虐待・保育問題・周産期医療・不妊医療などを母親の視点で取材。2013年に退社し、海外と東京を往復しながらフリーで仕事を続けている。Twitter @MisatoFujimura 

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