猫に本気で学びたい!「どこでも眠れる」技術 世界を旅する犬猫写真家が見つけた極意は?

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上手に寝付く極意3:昼寝のときは「日向ぼっこ」を活用する
地中海の向こうから太陽が輝きはじめた。ここは、フランス、コート・ダ・ジュール。日向ぼっこは猫にとっていわば充電のようなもの。体はポカポカ。頭の中はパラダイス。(撮影:新美敬子)

猫は日向ぼっこが大好き。季節にかかわらず、「コンフォートゾーン」を見つけては日向ぼっこをしています。

猫にとって日向ぼっこというのは、ちゃんとした意味があること。それは「ひとりになって自分を見つめ直す時間」なんです。ただぼーっとしているわけではなく、大切な時間です。

聞くところによると、日光に当たるということは、うつ病や不眠症の症状にとてもいい効果を及ぼすそうです。

オフィスワークの方はなかなか日光に当たるチャンスがないかもしれませんが、ランチのあとに近くの公園のベンチで、あるいは電車での移動中など、ぜひ昼寝をするときは「日向ぼっこ」を活用してみてください。

そこで5分でも10分でも自分との対話をしたり、あるいは居眠りなんかもすれば、午後のエネルギーもしっかりチャージされるのではないでしょうか。

嫌なことがあったら、とにかく寝る

上手に寝付く極意4:何も考えない、心配しない

チュニジアの首都チュニスも、猫の都と言っていい。正体をなくして眠る猫が、幸せのお裾分けをしてくれる。 植木鉢は少し冷たくて、暑い国の猫たちには人気のスポットだ。(撮影:新美敬子)

実はこれこそが、私が猫から学んだ「上手に寝付く極意」ナンバー1です。

寝つけなくて悩んでいるとき、私の布団に入ってきた猫が、丸まるなり寝落ちしたのを見て「さすがだなぁ」と感心するやらあきれるやら。なぜこんなにすぐ眠れるのかと言ったら、「何も考えていない」「何の心配もしていない」からなんですね。

かつて私は、人間関係のちょっとしたことや、翌日の仕事の段取りなんかにあれこれ思いをめぐらし、それで寝つけないことがよくありました。

でも、あまりにノー天気な猫の様子を見ているうちに、悩んでいる自分がなんだかバカバカしくなってしまったんです。考えてみれば、布団に入って悩んだって別に何もいいことはないし、いいアイデアが浮かぶはずもないんです。

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「だったら私も、考えるのやーめた!」と開き直った瞬間、すーっと眠りにつくことができました。嫌なことがあっても深く考えない、心配せずにとにかく眠る。その大切さを、私は猫から学びました。

わが家には私に「実演指導」をしてくれる猫たちがいますが、飼っていない方は寝る前に猫の写真を眺めてみるのもいいかもしれません。

明日は明日の風が吹く。今日のところは猫に学んで、何も考えずにぐっすり寝ちゃいましょう。

新美 敬子 世界を旅する犬猫写真家

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にいみ けいこ / Keiko Niimi

愛知県豊橋市生まれ。郵便局勤務を経て、テレビ番組制作の仕事に就き、海外の猫を撮りはじめる。その後「犬猫写真家」を名乗り、写真家として活動する。世界各地を旅して街角で出会う犬や猫と人々との暮らしを撮影。訪れた国は70カ国を超える。「猫びより」などの雑誌や写真集でエッセイとともに紹介している。代表作『旅猫』(講談社・フォトルピナス)をはじめ、『マルタの猫』『すて猫カテキン』『猫の旅 地中海』『世界の看板にゃんこ』(すべて河出書房新社)、『猫のハローワーク』『猫のハローワーク2』(講談社文庫)など、著作は60作を超える。近刊は『世界のまどねこ』(講談社文庫)

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