「子犬工場」撲滅には、欧州並みの徹底規制を ケージの広さなど、指標ができる方向だが…
子犬をペットとして販売するブリーダーについて、親犬の年間の繁殖回数を制限するように、環境省が規制を設ける方向で調整に入ったという報道が話題になっている。利益のために親犬に何度も子を産ませる悪質な業者の排除につなげたいという。
報道によると、動物愛護法に基づいて新たに検討される規制は、ブリーダーやペットショップが対象。繁殖回数の制限のほか、犬や猫一頭あたりの飼育ケージの広さについても、具体的な指標を設ける方向だという。
このニュースについて、ネット上では「これはいい政策」という声がある一方、「はたして悪質ブリーダーはそれを守るのか」「もっと厳しくいこうよ」という意見もみられた。ペットの問題に詳しい弁護士はどう見るのか。細川敦史弁護士に聞いた。
現在も規制はあるものの……
「繁殖制限や飼育ケージの広さについては、今でも法令による規制があります。
繁殖制限については『みだりな繁殖により母体に過度な負担をかけることを避け、繁殖の回数を適切なものにする』と定められています。飼育ケージについても『動物の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとする』とされています。
しかしながら、いずれも明確な基準ではなく、業者の指導監督を行う自治体行政にとって、使いづらい内容でした。
そのため、狭くてボロボロの不潔なケージで犬や猫を保管し、繁殖を繰り返し行う問題業者(子犬工場、パピーミル)に対して、違法状態であるとはっきりと指摘できない状態が続いていました」
そうした不十分な点について、今まで見直しはされてこなかったのか?