ビジネスホテル沸騰、熱気はいつまで持つか 訪日外国人客で稼働率急上昇、開業ラッシュ

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中でも訪日客を当て込んだ開業ラッシュとなっているのが新宿・歌舞伎町だ。

椿山荘で知られる藤田観光は、ビジネスホテルを成長戦略の要に据えており、活発な出店を進めている。

「ホテルグレイスリー」は東宝と提携し、中腹にゴジラを抱く外観で話題に(風間仁一郎)

今年4月には、新宿コマ劇場の跡地に、東宝と提携して「ホテルグレイスリー」(970室)を開業。中腹にゴジラを抱くユニークな外観は、海外でも話題を集めた。

さらには駅を挟んだ西口にある「ワシントンホテル」本館の改装にも着手。16年春の再開時には、客室数が約2600室と、新宿駅周辺で断トツの規模となる予定である。

新宿ではゴジラとアパが激突

真っ向勝負を挑むのがアパグループだ。同社はビジネスホテルで日本最大手を目指し、10年から東京23区内での出店を加速している。

今年9月末には“ゴジラ”のはす向かいに前述の歌舞伎町タワーを開業。地上28階建て、客室数620と、規模が大きい。すでに新宿エリア内に4軒のホテルを保有、加えて2つの建設に着手している。計画中も含めて、新宿内で2150室を構えるという。

アパグループの元谷外志雄代表は「全国で客室数は5.5万を超えた。20年までに10万を目指す」と気炎を上げる。

こうした開業ラッシュや異業種参入について、ホテル開発に詳しいオラガHSCの牧野知弘代表は、「ビジネスホテルはシステム化され、参入障壁が低い」と説明する。

宴会場やレストランを備えたフルサービスの高級ホテルは、開業後もサービスの維持や向上のために多額の運営費がかかる。だが、ビジネスホテルは人手がさほどいらず、運営費は少なくて済む。集客を「じゃらん」や「楽天トラベル」といった、オンライン予約サイトに任せておけば、宣伝費もかからない。

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