ピケティ絶賛!格差解消の切り札はこれだ 平等な社会に向けた現実的なビジョン

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所得と財産の不平等に関するその後のあらゆる歴史トレンド研究は、ある程度はクズネッツとアトキンソンの画期的な研究の後追いとなる。その歴史的で先駆的な著作は除いても、アトキンソンは何十年にもわたり、現代社会における不平等と貧困の継続に関する国際研究を行う国際的専門家の主導的存在だった。また、こうした問題に関する国際協力を不屈の努力で構築した人物でもあった。

献身的で皮肉な本

『21世紀の不平等』で、アトキンソンは学術研究の領域を離れ、行動と公的介入の領域へと足を踏み入れた。これにより、彼はキャリアの発端から実は決して捨てたことのない、公的な知識人という役割に立ち戻ることとなった。イギリスの資産分配に関する1978年の歴史的な研究以前に、アトキンソンはすでに独自の形で公的介入となる本を数冊執筆している。特に『イギリスにおける貧困と社会保障改革』(1969)と『不平等な分配:イギリスの資産』(1972) を挙げよう。アトキンソンにかかると、歴史、経済学、政治の境界線は決して厳密なものではない。彼は常に学者と市民を融和させようとしてきた。それはしばしばひっそりと行われたが、ときにはもっと率直な形でも行われた。

とはいえ『21世紀の不平等』は、これまでのアトキンソンの著書よりもずっとその方向に深入りする。アトキンソンはリスクを取り、筋の通った行動計画を提示する。それを読むと、お馴染みのアトキンソンの文体により、あらゆる議論を公平に検討し、そのすべてをなるべくよいほうに解釈するという独特のやり方が、単純明快に行われているのがわかる。だが本書でアトキンソンは従来とは一線を画し、生来の慎重さが通常は許容するよりもはるかにドラスチックな形で、ある立場をとっている。読んで笑い出す本ではないが、彼の生徒や同僚たちが実によく知っているあの辛辣な皮肉も見られる。その皮肉はもっと学術的な刊行物だとこれほどはっきりと表れてはこない。

そうした一例が、1988年の歴史的な出来事に関する記述の部分だ。そのとき、マーガレット・サッチャーの財務大臣だったナイジェル・ローソンが、イギリス議会を率いてトップ限界所得税率を40パーセントに引き下げた(鉄の女が1979年に政権の座についたときには、それが83パーセントだった)。ある保守党議員はあまりに興奮して、自分で可決を支援した減税により得られる節税規模を計算するのに「電卓のゼロが足りないほどだ」と述べたとか。それは陰惨な瞬間であり、アトキンソンの鋭い舌鋒の使用が完全に正当化される場面だ。

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