大混乱の「就活後倒し」、割を食ったのは誰か 解禁日程の見直しは2年連続に

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(写真:anzphoto_Inc, / PIXTA)

「解禁日の繰り下げで就職活動が長期化し、学生の負担が増した。さらに長期化で企業側が適正な内定者数を読み切れず、内定を多く出したにもかかわらず、辞退者が相次ぎ、企業は困惑したので見直すことにした」

大学生らの就職活動の日程について、経団連は政府からの要請を受けて、面接などの選考の解禁を2017年4月入社組から2カ月前倒して「4年生の6月」とする方針を正式に表明しました。

解禁日程の見直しは2年連続。4年生の8月にまで後ろ倒しした解禁日は再び前倒しされたのです。それでも政府は、学生には学業に専念させたい……と、昨年同様の配慮を口にします。

ちなみに2016年4月入社組の就職活動では、企業から採用の内定(内々定を含む)を受けた大学・大学院生が5月1日時点で2割近くいた様子(就職情報会社アイデムの調査)。8月の選考解禁の3カ月前にもかかわらず、多くの企業が内定を出していることで、指針が形骸化していた可能性もあります。はたして来年も、企業は政府の要請にどれだけ従うのでしょうか?

学生たちの中には初めて「競争」する人も多い?

このコロコロ変わる就職活動のスケジュールに、大迷惑しているのが学生たちです。取材をしていくと、

・いったい誰のための就職活動なのか

・人生を左右する決断に対して、説明が足りないのではないか

・われわれは実験台ではない

などなど、不満の声をよく耳にします。学生にとって就職活動は一生を左右するビックイベント。特に今の学生は、就活に対してものすごく緊張感を持って取り組んでいるように感じます。

次ページ全入時代で、学生は競争に慣れていない?
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