三井物産も参画する「キャリア大学」の正体 人工知能に負けない若者を育てよ 

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大学1、2年生を対象にした「キャリア大学」。青田買いかと思いきや、超絶良企画だった!
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である。面白い「大学」が現れた。その名も「キャリア大学」だ。大学1、2年生を対象に、大企業を中心とした企業がキャリア教育講座を実施するという企画である。3年前から始まったこの取り組みに、今年度は年間100のプログラムを提供し、約3万2000人の学生が応募し、そのうち約2000人が夏のプログラムに参加、ほかのプログラムや交流企画も含めると、約5000人が参加するという(学生数はのべ数)。
もちろん、1、2年生を対象としている点で「就活の早期化じゃないか」「青田買いではないか」ととらえる人もいるだろう。いや、実は私もこの取り組みを知ったときは、その臭いを感じてしまっていた。しかし、取材に出かけ、これは大人が学生に社会の現実を伝える超絶良企画だと確信した。
参画企業の一つである大手総合商社、三井物産での取り組みのレポートと、「キャリア大学」を運営する特定非営利活動法人キャリアクルーズの理事長であり、文部科学省のインターンシップ等推進委員会の委員も務める松本勝氏へのインタビューをお届けする。

「現地に行きましょう」という無茶振り

9月4日(金)9時、東京・大手町。三井物産の会議室には、早朝から私服姿の大学生40人が集まっていた。全員が1、2年生だ。リクルートスーツの学生は一人もいない。

採用担当者によると、この三井物産のプログラムには約1000人の学生から応募があり、抽選で40人を選んだという。もともと、3年生向けの自由応募型のインターンシップなどへの参加は上位校の割合が高いが、今回のプログラムの参加学生の大学名をみるとやはり上位校が中心ではあるものの、幅広いという印象を受けた。

人材開発室長の中野真寿氏による概要説明が始まる。ファッションビジネス一筋だった自分の商社マン人生を語りつつ、社会人になると世の中に貢献できる実感があること、笑顔や感激の涙が見られることなど、商社での仕事の醍醐味が語られた。熱さ、温かさなど、人間味の伝わるスピーチだと私には感じられたが、学生はまだ緊張気味の様子だ。無理もない。社会人との接点が、まだ少ない1、2年生が大手総合商社社内で、室長の話を聞くというのは、そもそもなかなかない機会である。

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