大混乱の「就活後倒し」、割を食ったのは誰か 解禁日程の見直しは2年連続に

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そこには、大学入学のプロセスの変化が影響しているかもしれません。すでに大学は全入時代に突入しています。1990年代以降の規制緩和による大学の新設ラッシュ、定員増加がありましたが、その後は少子化もあって定員割れの学部も登場。大学が冬の一般入試より前倒しで学生を確保するために、推薦やOA入試を大幅に増やし始めました。

採用環境がいいからまだよかったものの…

私立大学では推薦による入学が40%を超える状況。国立大学でも15%にまで増えています。さらにAO入試を導入する大学が増加。

ちなみにAO入試とは、自己推薦などに似た形態で、エントリーシート(志望理由)を提出して合否が決まる仕組み。オープンキャンパスで青田刈りのように行われる傾向があります。

当然ながらテストによる入試に比べて、競争意識が低い形態。こうした前倒し入学の比率は上がる一方です。

これら2つの方法で大学に入る学生が増え、就職活動で初めて「厳しい競争環境」にさらされるという大学生が増えています。ゆえに緊張感の高いビックイベントとして、ナーバスになる学生がいるのかもしれません。取材したある中堅クラスの大学の学生は、

「思いつきでゴールポストを動かすのはやめてほしい」

と叫んでいました。先輩の就職活動が参考にならない不安から、コロコロ変わる解禁日に対して、そうとう怒りを感じているようです。

ただ、就職活動の環境は毎年のように改善されつつあります。ちなみに大学生の大卒就職率は96.7%と4年連続で上昇。上位校の学生では複数の会社から内定を取って

「自分は○○社の内定ホルダーになれた。これで、社会人になる自信が出てきた」

と勘違いしたような成功体験を口にする人もいるようです。こうした複数社の内定を獲得できるような人には、解禁日の変更など大きな影響はないのかもしれません。

いずれにしても採用環境がよかったことで、解禁日変更に翻弄されるストレスは少しは緩和されたかもしれません。

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