腎臓寿命を延ばす40~60代「年代別腎臓ケア」→「慢性腎臓病予備群」になる前にするべき習慣

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つまり、このように「運動をしない生活」「活動度の低い生活」が定着してしまうと、急勾配の坂道を転がり落ちるように腎機能低下が進んでしまうようになるのです。

一方、同じ60代でもウォーキングや筋トレなどの運動を習慣にしていたり、積極的に外出して幅広く活動していたりする人は、腎機能をキープしつつゆるやかな勾配の坂道を歩いていけるというわけですね。

なお、私は腎臓寿命を長くしていけるかどうかは、「60代で決まる」と言っても過言ではないと思っています。

60代の習慣が70代以降に効いてくる

もっと言えば「60代で適度な運動を習慣づけているかどうかで決まる」ということ。

60代であれば、「まだ十分体が動く」という人が多いのですが、これが70代、80代になると思うように体が動かなくなる人が増えてきます。そして、60代でろくに体を動かさないような生活をしていると、70代以降、身体機能の低下や腎機能の低下がスピードアップしてしまい、そのままずるずると透析生活に移行していってしまうケースがたいへん多いのです。要するに、「体が動く60代のうちに運動を習慣づけておかないと、70代以降、ゆくゆく困ったことになりますよ」 というわけですね。

また、70代になると筋肉量の低下ペースも増すため、何もしていないとサルコペニアやフレイルが進んでしまいかねません。そうなったら、透析生活どころか、寝たきり生活も秒読みになってしまいます。

だから、70代以降、そうした悲惨な状況に陥るのを避けたいのなら、やはり60代のうちにしっかり体を動かしておいて、筋肉量や体力を「貯金」のように貯めておくほうがいいのです。

私は、腎機能の低下状況がどういうレベルであれ、60代になったなら「腎臓リハビリ」を実践に移すことをおすすめしています。ここで踏ん張って腎臓を守る運動や食事を習慣づけてしまえば、先々の腎臓寿命はもちろん、健康寿命も大きく違ってくるはずです。ぜひみなさん、60代というターニングポイントでつけるべき習慣を身につけて、人生の終盤を明るく照らしていくようにしてください。

上月 正博 東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

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こうづき まさひろ / Masahiro Kouzuki

医学博士。日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長、東北大学大学院障害科学専攻長、同先進統合腎臓科学教授を歴任。2022年より現職。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2011~2021年日本腎臓リハビリテーション学会理事長、2020より国際腎臓リハビリテーション学会理事長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。

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