「これ、僕でも普通に買えるんですか」
「買えますよ」と其田さん。
「でも、刀の免許的なもの、持ってないんですけど……」
そこからの其田さんの話があまりに面白かった。
「銃刀法という言葉があるんですけど、銃と刀はまったく別の扱いなんです。銃については確かに所持するための免許が必要ですが、刀はその限りではありません。ただし、全ての刀は各自治体の”教育委員会”に登録することが義務付けられています。登録された刀であれば、誰でも買うことができます」(其田さん)
まったく知らなかった。また、登録先が教育委員会であることが、なんとも不思議だ。
「ざっくり説明すると、第2次大戦後にGHQから、武器になるものは全て没収せよ、というルールが提示されました。武器とは銃とか刀のことですね。でも、刀については、日本の”文化”である、という主張がありまして、その考え方が採用された。だから、刀の管理は文化庁管轄なんです。文化庁は文部科学省の外局です。ということで、各自治体の教育委員会に登録することになったわけです」(其田さん)
6時間かけて作るクリームコロッケ
さて本題に戻る。其田さんは鶯谷の住むとちょっといいところをこんなふうに語ってくれた。
「なにせ、静かな街なんですよ。ラブホがあるせいで、賑やかなイメージを持っている人がいるかもしれないけど、まったく逆です。ラブホがあるおかげで、街は静かなんです。騒がしい商店街も作れないし、駅前開発でタワマンが立ち並ぶみたいなことにもならない。この街は、静かな人たちが、ひっそり通ってくる。そんな街なんですよね。あと、やっぱり街の雰囲気についてマイナスイメージを抱く人も多いから、家賃も少しお安い。それもいいところですね」(其田さん)
鶯谷に対するこの視点は、街全体が共有するものだ。平成名刀会から歩いて数分にある「レストランQ(台東区根岸3-6-3)」の店主・本部順子さんも、こんなふうに語る。
「わびさびのある街ですね。このあたりのちょっと先は、昔は”日暮らしの里”って呼ばれていたんですよ。のどかな自然が広がっていて、日が暮れるのも忘れるくらいという意味ですね。隣町の日暮里はそれが語源です。ラブホテルが多いけど、最近は大通り沿いなんかにマンションができていて、新しく住み始める人も増えています」(本部さん)


















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