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「全財産5000円」のどん底から《世界一の鍛冶屋》に…「このままじゃ人間ダメになる」と安定公務員を捨てた元レスキュー隊員の逆転劇

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加成さんと庶子さん。庶子さんが工房の経理、スケジュール管理、ホームページの更新、海外とのやり取り――すべてを担っている(写真:筆者撮影)

49歳で世界へ挑戦

子どもが大きくなり、家のローンも落ち着いた頃、加成さんは若き日に見たヨーロッパの舞台を思い出した。20代のころ、師匠と一緒にドイツで開催された鍛冶屋の世界大会を見て「いつか自分もあの舞台に立ちたい」と思っていたのだ。

2019年に、イタリアで開催された「Biennale Arte Fabbrile Stia(ビエンナーレ・ダルテ・ファッブリーレ・スティア)」に初出場。世界中から鍛冶屋が集まるヨーロッパ最大規模の大会だ。

加成さんはスタッフを引き連れ、世界鍛造選手権のチームの部に挑んだ。言葉も勝手もわからない中、周りにはヨーロッパ中から集まった腕利きの鍛冶屋たち。日本人が何を作るのか、みんな興味津々で見ていた。

「隣のやつが、自分の作業を止めて見てるんだよ、ビール飲みながら。『何作ってんの』って聞いてくるから『見るな見るな』って。初めて出る人は、みんなすごく緊張してた。でも、上手い人は緊張しないで、普段通りにやってる。火の扱いを見ればわかる」

作り終わると、周りから「ワーッ」と歓声が起きた。

同時開催の国際彫刻コンクールにも出品。テーマは「人類の第一歩」。加成さんは仁王像を制作し、作品名を「あ」とした。人が生まれて最初に発する言葉だ。

結果は銀メダル。日本人として初の快挙だった。

2019年世界鍛造選手権の様子。日本人の参加は初めて。加成さんは緊張しなかったという(画像:Biennale Arte Fabbrile Stia 公式FBより)
チームの部では庶子さんも共に参加した(写真:加成幸男)

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【日本人の「粋」の精神で挑んだシチリア島の大会】

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