「全財産5000円」のどん底から《世界一の鍛冶屋》に…「このままじゃ人間ダメになる」と安定公務員を捨てた元レスキュー隊員の逆転劇

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「人類の第一歩」をテーマに作成した仁王像
「人類の第一歩」をテーマに作成した仁王像(写真:加成庶子)

その後も2021年の同大会では、ソロの部で銅メダルを受賞。2022年には、自転車の国際大会「ジロ・デ・イタリア」の記念モニュメント制作に招待された。イタリア人以外では唯一の参加だった。

「ヨーロッパで一番大きい大会なので、メダルを受賞となると雑誌や新聞に載るんです。鉄の専門誌だけじゃなく、技術誌や地元紙にも『日本からも参加』と書いてくれて。だからヨーロッパの鍛冶屋さんは、みんな『YUKIO』を知ってるんですよ」(庶子さん)

ジ・ロデ・イタリアのモニュメント制作時の様子
ジ・ロデ・イタリアのモニュメント制作時の様子(写真:加成庶子)

2024年、ついに世界の頂点へ

そして2024年、シチリア島の「サン・マルコ・アイアン・フェスト」へ。テーマは「Roots(ルーツ)」だった。

加成さんは日本文化のルーツを遡り、神への捧げものである「幣束(へいそく)」に行き着いた。祭り事で使われるこの道具に、日本人の「粋」の精神を重ねた。

表彰式。ライバルのイタリア人鍛冶屋ダビデが、銀メダルとして呼ばれた。

「じゃあ1位は俺だ」

確信通り、加成さんの名がコールされた。日本人が初めて頂点に立った瞬間だった。

マイクを向けられると、イタリア語でこう言った。

「グラニータ、美味しい!」

緊張感ゼロの一言に、会場は大爆笑だったという。

(写真:加成庶子)
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