"脳に良い"との報告も「チーズの食べ方」の最適解――脂質のリスクをどう抑える? 健康効果を打ち消さないための「意外なルール」【医師が解説】

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プロセスチーズの食塩相当量は100g当たり2.8gで、例えばナチュラルチーズのカマンベール・ゴーダ・チェダー(同各2.0g)と比べると約1.4倍です。ただ、ナチュラルでも種類によって塩分の差が大きく、モッツァレラは同0.2gとかなり低い一方、ブルーやパルメザンは同3.8gで、プロセスより高くなっています。

また、注意したいのは、チーズをたくさん食べればいいというほど、認知症の予防は単純ではないということです。実際、飽和脂肪酸の負の影響を無しに語ることはできません。

例えば、脳血管性認知症は動脈硬化が問題になりますし、アルツハイマー病でも生活習慣病がリスクに絡みます。糖尿病があると認知症リスクが約1.5倍から2倍に上昇するという報告もあります。

飽和脂肪酸の摂りすぎはLDLコレステロールを上げ、心血管リスクに関与するというのは、揺るぎない事実です。すなわち脳血管障害のリスクを通じて、認知機能低下・認知症と関連する可能性があるのです。

そのため、アメリカの食事指針では、飽和脂肪酸は総エネルギーの10%未満が目安とされており、日本人の食事摂取基準でも7%以下が目標とされています。

チーズと認知症の「答え」は?

チーズの話を理解するには、乳製品全般の健康影響、それは良い面、悪い面も含めて視野に入れる必要があります。

例えば骨折予防。「牛乳をたくさん飲めば骨折が減る」というイメージは根強いのに、成人のデータでは必ずしも明確な骨折予防効果が得られていません。スウェーデンの大規模研究では、「牛乳をたくさん飲む群のほうが、大腿骨近位部骨折のリスクがむしろ高い傾向がある」とさえ報告されています。

一方で、骨密度については乳製品摂取で改善する報告もあり、話は単純ではありません。

では、認知症とチーズの関係性の落としどころはどこでしょうか。

答えは、「チーズを食べる量を単純に増やすより先に、チーズで何を置き換えるかを考えること」だと筆者は考えています。スウェーデンの研究でも、置き換えの発想は重要でした。

つまり、「加工肉や脂の多い肉、白米や食パンなどの精製炭水化物の量を減らす代わりにチーズを添えて食べると、全体として健康に利益をもたらす」。そう考えるほうが、科学的にも筋が通ります。

現時点において認知症予防で最も確実とされているのは、野菜、豆、全粒穀物、魚、ナッツ、良質な油脂を軸にした食事パターンです。

地中海式食事やMIND食(野菜・豆・全粒穀物・魚・オリーブ油などを増やし、揚げ物や甘いもの・赤身肉などを控える食べ方)では、認知症リスクが30~50%低下するという報告もあります。

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