愛知県豊橋市のワインバー「vitis」に来ている。普段はカウンター飲みだけの店だが、「ちょっと込み入った話をしたい」と店主に伝えると、店の奥にあるテーブル席を用意してくれる。静かで温かい雰囲気で料理も美味しい。晩婚さんを祝いながら取材するには適した場だと思っている。
お隣の静岡県から小旅行がてらに来てくれたのは、宮田修平さん(仮名、49歳)と2歳年下の歩美さん(仮名)の夫婦。修平さんは白髪交じりの短髪でよく整えられた顎髭と眼鏡姿。その傍らにはシックな襟なしシャツを着こなした歩美さんが好奇心と緊張が入り交じった表情で座っている。
「専業主婦や働けない人はお断りだった」
修平さんは笑顔でよく話す中年紳士という第一印象なのだが、本連載への出演申し込みフォームに書かれていたメッセージはクセの強い内容だった。以下に抜粋する。
<なんせ相手は経済力も弱く、家業の手伝いをしていて、ようやく2年前に社会に出て頑張り始めたような人です。(中略)漠然と結婚したいと思い紹介で相談所に入るも、専業主婦や働けない人はお断りだったなか、なぜ今の奥さんを選んだか?! 決断したその過程などを聞いて貰えたらなぁ…と思いつつ、書き送ってみました。>
なかなかひどい言い草である。目の前でにこやかに笑っている修平さんと同一人物だとは思えない。育った環境のせいで「家庭」にいい印象がまったくないという修平さん。いったいどんな生い立ちなのか。


















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