「生活力ない人はお断り」と豪語した49歳発達障害グレー男性の大誤算…実家住みで料理不得意なパート女性と結婚するまで

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結婚してから2年の歳月が流れた。今も2人は大きなケンカもせずに仲良く暮らしている。修平さんが住む家に引っ越してきた歩美さんは前職と同じような施設を近所で見つけ、やはりパートタイマーとして前向きに働いている。家賃や生活費は修平さんの収入で賄い、歩美さんのパート収入は貯金。修平さんもそれで不満はない。料理は主に歩美さんが担当しているようだ。

「大黒柱の自分が死んだら妻は生きていけるのか?」

「修平さんは味音痴なので何でもおいしいと言います。醤油とソースの区別もつかないぐらいなので、本当に何でもいいんですよ(笑)。ゴミ捨てやお風呂掃除は積極的にやってくれます」

なんとも気楽そうな歩美さん。仕事に関しては修平さんが一番応援してくれる、一緒にいて楽しい、と断言する。修平さんのほうも「バカなことを言っても受けて止めてくれるのが嬉しい」と歩美さんへの感謝を隠さない。

「私の母親はキツい性格をしています。商売に追われていた子どもの頃は親から八つ当たりもされて委縮していました。母に話を聞いてもらえなかった分だけ妻に聞いてもらっている気がします」

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なお、変なところに固執してしまう気質は変わっていない。修平さんが独身時代から借りている家は小さな洗濯機しか設置できず、2人分の洗濯物が一度には入らない。修平さんは歩美さんの洗濯物が多いと毎回のように文句を言っているらしい。歩美さんは意に介していない。

「また始まったかー、と思うだけで無視しています」

修平さんは将来のこともときどき心配になる。大黒柱の自分が先に死んだら歩美さんは生きていけるのか、と。

筆者には、一人になったら仲の良い家族と親しい女友だちがいる地元に戻って楽しい老後を過ごしている歩美さんの姿しか思い浮かばない。どちらかと言えば、余計なことを言って孤立しがちだという修平さんが独居老人になるほうが心配だ。

この感想を伝えると、「私もそう思う! もっと言ってやってください」と歩美さんの表情はパッと明るくなり、修平さんは「確かに……」と苦笑いをしていた。この2人は揃って健やかに長生きするに違いない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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